〝勢いのベイ〟の正体は、磨き上げた結束にある。日本シリーズ進出をかけ、14日からクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージで阪神と激突するDeNAは13日、敵地・甲子園で前日練習を実施。相川亮二監督(50)は「競っていかないとチャンスはつかめないと思うので、まずはディフェンスが重要になってくるかなと思います」と接戦を戦い抜く覚悟を示した。

 苦境で培ったチームの底力が、10月の大舞台で実を結ぼうとしている。「勢いだけで勝てるものではないと思っています」。9日のCS共同会見で〝勢いのベイスターズ〟と警戒の声が相次ぐと、指揮官はそう言葉に力を込めた。

「もう負けられないという中で、1つでも多く勝っていくことを毎試合やり続けた3か月。チームがしっかり力をつけた期間だと思います」。その言葉には、シーズン終盤の巻き返しで積み上げたものへの確かな手応えがにじんだ。

 成長を実感しているのは指揮官だけではない。ナインが口をそろえるのが「組織力」だ。牧秀悟内野手(28)は「普段だったらズルズル負けるところを、僅差で勝ったりすることも多くなった。そういうものがチーム全体に浸透してきた」と、土俵際での勝負強さがチーム全体に根付いたことを強調した。

 佐野恵太内野手(31)は「勝った試合の後のロッカーではレイノルズを中心に盛り上がったりして、チームの雰囲気は常にいい」。石田裕太郎投手(24)も「負けが込んでも、暗くなることがない。次、次と切り替えることができる。それがベイスターズの特徴」と語る。負けを引きずらず、全員が前を向いて次の戦いに進めるのも強みだ。

 他球団関係者からも「ベイスターズのベンチは、外から見ても雰囲気がいい。一体感があって『なんか勝ちそう』と感じる空気がある」との声が聞かれる。劣勢でも下を向かず、勝機をうかがう姿勢が流れを引き寄せてきた。

 一時は借金15を抱えながら、白星を重ねて這い上がってきた。土壇場での勝負強さ、劣勢でも揺らがない精神力、ベンチに満ちる一体感。それぞれの歯車がかみ合い、10月にチームの完成度は最高潮に達した。

 虎との大一番へ、単なる〝勢い〟では片づけられない強さがある。