涙を抑えきれなかった。愛知・名古屋アジア大会女子やり投げ決勝(27日、パロマ瑞穂スタジアム)、2024年パリ五輪金メダルの北口榛花(JAL)は、62メートル70で銀メダルを獲得。自らのパフォーマンスに悔しさをにじませた。

 最大のライバルに独走を許した。世界歴代2位の71メートル74の記録を持つ厳子怡(中国)が1投目で70メートル46のビッグスロー。追う北口は4投目で60メートル台に乗せたが、背中は遠かった。試合後には「中国の厳子怡選手はすごく強いと思っていたし、その中でも勝負したいという気持ちは強かった。全然勝負にならなくて悔しいし、1人旅をさせてしまった」と声を震わせた。

 優勝したアルティメット選手権では厳子怡に勝利したが、この日は大敗に終わった。「70メートル自体はきっと今の私の実力では、いろんな状況、条件が噛み合わないとちょっと出すのが厳しい状態。厳子怡とちょっとタイプが違うので、そこが難しいところ。でも、まだ土台が足りないという言葉に尽きる」と猛省した。

 昨季は右ヒジのケガなどで苦しんだが、今季は明るい兆しを見せた1年となった。「不安がいっぱいだったけど、無事にやり切れて安心した。周りの人もまだまだ伸びしろがあると言ってくれるので、必ず70メートルを投げられるように次のシーズンから切り替えていきたい」と決意表明。五輪3連覇のレジェンドとして知られるヤン・ゼレズニー氏(チェコ)のもとで、さらなる高みを目指す。