葛藤と戦った先に光があった。愛知・名古屋アジア大会女子100メートル障害決勝(27日、パロマ瑞穂スタジアム)で、2024年パリ五輪代表の福部真子(日本建設工業)が12秒74をマークして金メダル。日本勢では44年ぶりの快挙となった。
24年12月に頸部リンパ節に良性の炎症が起きて発熱などが生じる「菊池病」を発症したと公表するも、競技を続ける道を選択した。アジア記録(12秒44)の更新を目標に掲げたが、現実は想像以上に厳しかった。「菊池病とどう向き合っていったらいいかがわからなくて…。やっぱり(12秒)44を出すための練習内容という部分では、今は12秒7、8台しか積めていない。試合に出ることで精いっぱいだった」と胸中を吐露した。
体はもちろん、心も追い込まれていた。「微熱とはいえ、自分をだましながら毎日やっていくしんどさや37度(の熱)でも36度台の体とはやっぱり違う。自分をごまかしながら練習したり、試合に出たるために奮起するのに疲れてしまっている部分がある」。中途半端な自分の姿が許せず「今回のアジア大会で引退を考えていた」と明かした。
その中でも「集大成としてしっかり走れたら結果もついてくる、レースの前にやってきたこと信じて、勝負強さというところを最大限引き出して終わろうと思っていた」と序盤から積極的な走りを披露。ラストは中島ひとみ(長谷川体育施設)と競り合ったものの、僅差で勝利を引き寄せた。
引退については「まだ決断するくらいの覚悟はない」と現時点で否定。現在は先輩の寺田明日香さんらに相談しており「来年1年休養して、五輪に絞ってというやり方もあるんじゃない」などとアドバイスをもらったという。まずは心技体を休めて、去就を熟考する。












