【ニュースシネマパラダイス】どうも! 有村昆です。米国では、100万ドル(約1億5500万円)で永住権を取得できる新たなビザ「トランプ・ゴールドカード」の受け付けが開始されたと発表されましたね。「ゴールドカード」によって米政府には1000億ドルを超える歳入が見込まれていて、減税や政府の債務の返済に充てるとのことです。さすがトランプ大統領と言える大胆な施策です。今後の展開に注目です。

 さて、そんなニュースに関連し、今週は動物たちの世界をハートフルに描く裏で米国の抱える社会問題へのメッセージを感じさせるアニメーション映画「ズートピア2」を紹介します。

 今作はディズニーの大ヒット映画「ズートピア」の続編です。あらゆる哺乳類の動物が平和に暮らす理想の楽園・ズートピアに突如現れたヘビの存在を追いかけ、ウサギの警察官・ジュディとキツネの相棒・ニックが都市の真相に迫るという物語です。

「ズートピア」シリーズは、いわゆるカートゥーンアニメ(風刺漫画を子供向けにしたアニメ作品)で、ジュディとニックの相棒コンビの掛け合いが今作でも本当にかわいかったですね。画作りも派手でキャラクターたちが映えていました。子供たちとともに、家族で楽しく安心して見られる柔らかい映画に仕上がっていましたね。

 一方で、大人が見ると深いメッセージを感じ取ることができます。物語が進むと、どうやらこの都市にはもともと爬虫類がいたらしいということが分かるんです。僕は、これが米国の影の歴史部分、つまり大陸に渡った白人たちが現地で暮らしていた先住民から土地を奪ったという歴史を投影しているものだと考察しました。爬虫類たちは今は隠れてひっそりと暮らしているんですが、先住民の方々もまさにそう。居留地に暮らす民族も多く、貧困や依存症などに苦しんでいるという現状があります。一見動物たちのかわいらしい映画であるように見えて、実はそのようなタブーに鋭く切り込んだ作品になっているんですね。

 トランプ大統領は発展途上国からの移民を厳しく制限しています。「ゴールドカード」の狙いも富裕層と高度人材の受け入れにあるとのことです。貧富や人種による社会的な分断が進んでいる米国の問題を踏まえながら、ぜひ見てほしい作品です。