ボートレース徳山のSG「第30回オーシャンカップ」は27日、優勝戦が行われ、1号艇の西山貴浩がイン逃げ快勝。デビューから19年8か月でSG初Vを決めた。

 優勝戦の売上額は約19億円。西山自身も大型ビジョンに映し出されたオッズを見て、とてつもない人気を背負っていることは自覚している。「罰則が厳しいけど、あんなに声援があるので負けるわけにはいかない。平和島グランプリで1号艇を2回走った経験が生きた」と人気をしっかりと受け止めてコンマ11のトップスタートを踏み込むと先マイ逃走。予選首位通過からの王道Vを決めた。仕上がりも軽快。「1M回った瞬間にやった、と思った。表彰式で何を言おうかと思っていた」と早々とVを確信していた。

 達也とともに――。この大一番も2022年11月にレース中の事故で亡くなった後輩・中田達也さんと同じデザインのレーシングスーツをはいて臨んだ。「道中はミスしないように回った。3周1Mを回った後は、達也のことを考えていた」と天国の後輩と喜びを分かちあった。

 ニッシヤマ、ニッシヤマ、ニッシヤマ! ピットに帰投しようとするスタンドからは〝ニシヤマ〟コールが沸き起こった。「ゴールした時は泣きそうになったけど、森高一真さんに『泣くなよ』と言われてたんで必死にこらえた」と涙は見せなかった。

 GⅠ初Vも徳山。表彰式ではレジェンド今村豊さんからの「よくやった。西山貴浩から〝徳山〟貴浩に改名しましょう。徳山に住んでもらいましょう」というムチャぶりに苦笑する場面も…。

 賞金ランクは一気に4位まで浮上。「グランプリに3回出させてもらって取るなら2ndから行かないと、というのは分かっている。取れて良かった」。この優勝でグランプリ制覇を意識できるレベルまで賞金を積み重ねることができた。

 ボートレースを盛り上げたい、子供たちがボートレースに興味を持ってレーサーになりたいと思ってくれれば…。数々のパフォーマンスにはこんな思いが込められている。「どんなにしゃべっても足りないものがSGのタイトルだったのでホッとしてます」。レバーとマイクを握って活躍する二刀流レーサーが今後もボートレース界を盛り上げる。