“女芸人マニア”として知られているお笑いコンビ「馬鹿よ貴方は」の新道竜巳が、これから“馬鹿売れ”しそうな女芸人を紹介するこの連載。今回は一般企業で働く30歳を超えた弟を、姉が誘ってコンビを結成したという、実の姉弟コンビを紹介する――。

【プロフィル】
 コンビ名‥イナキ
 所属事務所‥デューズ
 結成‥2020年1月1日
 姉‥正子
 生年月日‥1985年1月1日
 弟‥とおるちゃん
 生年月日‥1987年1月13日 

 実の姉弟によるコント師です。正子さんは女性コンビ・バーゲンセールとして活動していましたが、2020年1月に解散。同年12月にとおるちゃんとイナキを結成しました。親族のコンビは漫才師が多いのですが、ここはコントのみで勝負している。そんな姉弟に話を聞きました。

 ――お笑いを始めたきっかけは

 正子「小学生の頃から子役をやっていましたが、27歳の時に前の相方に出会い、『女優よりお笑いの方が合ってるかもしれない』と、お笑いへ。高校生の頃からアップフロントの事務所ライブの追っかけだったので楽しい気持ちで始めました」

 とおるちゃん「姉が解散して相方を探していたのですが、僕は一般の仕事をしていた。急に『コンビ組まない? すぐ辞めてもいいから』と逃げ道をつくってくれた上で言ってきたのですが、ちゃんと仕事は辞めさせられました。どうかしてますが、今は芸人を始めて良かったです」

 ――どんな姉弟?

 とおるちゃん「昔から一緒に遊んでいたので芸人になってからもその関係は特に変わらず、姉弟というよりは友達と遊んでいる感覚です」

 正子「高校の頃から特に仲良くてバイト先も一緒だし、私の親友と3人で遊ぶこともしょっちゅう。20代の時は弟が失恋して『飲み行きたい』と連絡が来て朝までグチを聞いて飲み明かしました(笑い)。相方になったらどうなるか少し心配でしたが、何も変わらず『今度いつ飲む?』みたいな会話をネタ合わせ中にしてます。変な姉弟です」

 ――正子さんは、女性コンビ・バーゲンセールとして活動していた

 正子「解散は完全に私のわがまま。ファミレスに相方を呼んで『逃げたい、辞めたい』と伝えました。あの頃の心境を話すと5時間かかります」

 ――コントへのこだわりは

 正子「お芝居をしていたこともあり、コントが好きなのでコントにしてます。最近は『パンティーショー』という、世の中が元気になれば、というメッセージを込めた音ネタコントもやってます」

 ――影響された番組や芸人は

 とおるちゃん「子供の頃は志村けんさんが大好きで、ドリフターズが大好きでした。あとは『めちゃイケ!』が大好きでナインティナインさんにも憧れています。ゲームもオタクなほど好きなので、『ゲームセンターCX』(フジテレビONE)に出ているよゐこの有野晋哉さんが好きだったり、最近ではゲーム関係の仕事をされてる野田クリスタルさんにも憧れています」

 正子「私も志村けんさんです。面白いコントはもちろん、悲しい演劇コントもあったりビデオに録画して擦り切れるくらい毎日見てました。『加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ』は女優さんやアーティストさんも出演されるので、毎度楽しみでこちらもテープ擦り切れるほど見てました。最後擦り切れたなぁ。あと『笑う犬』は出たくてずっと見てて、今も憧れます。いろんな芸人さんがシャッフルしてコントやるなんて最高すぎて憧れ。出たい!」

 ――将来の目標は

 とおるちゃん「ライブでネタもたくさんやりたいですし、僕は漫画家やアニメオタクでもあるのでそのスキルを生かした仕事ができたらうれしい」

 正子「イナキっぽいコントだねと言われる芸人になりたい。テレビでも営業でもどこでもネタやりたい。街ブラ番組も出たい! 紅白も出たい!『クレヨンしんちゃん』の芸人が出てるところ、あれもやりたい! やりたいことがあり過ぎます」

 ネタだけでなくリアクションも優れているので、イナキが売れるのはもうそこまで来ています。

 ☆しんどう・たつみ 1977年4月15日生まれ、千葉県出身、本名・濱島英治郎。平井“ファラオ”光と組む「馬鹿よ貴方は」として「THE MANZAI」「M―1グランプリ」で決勝進出を果たした実力派。緻密なネタ作りに定評がある一方、女芸人ナンバーワン決定戦「THE W」では、予選会場に足しげく通い、ほとんどの出場者のネタを見るほどの“女芸人マニア”。