“女芸人マニア”として知られているお笑いコンビ「馬鹿よ貴方は」の新道竜巳が、これから“馬鹿売れ”しそうな女芸人を紹介するこの連載。今回は、引きこもりの妹が家を出るきっかけのためにM―1グランプリに出場したという、異色の経歴を持つ実の兄妹コンビを紹介する――。

【プロフィル】
 コンビ名‥本田兄妹
 所属事務所‥プロダクション人力舎
 デビュー‥2005年3月26日
 男性‥本田ひでゆき
 生年月日‥1980年6月18日
 女性‥本田あやの
 生年月日‥1987年9月1日

 結成16年以上のコンビで争う漫才の賞レース「THE SECOND~漫才トーナメント~2025」で、開幕戦ノックアウトステージに進出する32組に選出された実の兄妹コンビです。「THE SECOND」では同じ事務所のリニアに惜しくも敗れましたが、まだまだこれからの活躍が期待されています。今回は妹のあやのさんにお話をうかがいました。

 ――お笑いを始めたきっかけは

「私が学生時代、引きこもりで、その間、兄がいろんなお笑い番組を教えてくれて、家でいろんなお笑い番組を見ていました。お笑いに興味が出てきた時にM―1グランプリが始まり、アマチュアでも出場できると知りました。『あやのが家から出るきっかけになる』と、母が大学生だった兄に『妹とM―1に出てやってくれ』と頼んで、M―1に出場したことがきっかけです」

 ――それからプロになった経緯は

「1年に1回だけM―1に参加するために外に出る生活を何年か送り、17歳の時にアマチュアでも参加できる人力舎の『バカ爆走!』というライブのワイルドカードのオーディションを受け、合格しました。髭男爵さんと対戦して負けたのですが、翌日先代の社長から電話が来て、事務所に呼ばれ人力舎に所属することができました。なので高校2年生の終わりからプロの芸人として舞台に立つようになりました」

 ――引きこもりの中、お笑いをやる勇気はどこから

「いじめられて引きこもっていたので『いじめっ子を見返したい』という気持ち。いじめっ子たちが手のひらを返すほど有名になってやるって気持ちが強かったです」

 ――兄妹の関係性は

「“要領の悪い兄としっかり者の妹”ですかね。何時にどの電車に乗るとか、スケジュール関係のことは私が管理します。兄は付いてくるだけ。でも2人で飲みにも行くし、一般的な兄妹よりは仲はいいと思います」

 ――ネタの作り方は
「まずは兄がネタを書きます。それを聞いて伝わるのか?面白いのか?を私が判断して削っていきます。結構削ります」

 ――あやのさんは霊感があるとか

「20代の頃は生き霊が見えたり不思議な体験があったのですが、30代半ば頃からあまり感じなくなりました。霊も若い女性が好きなんですかね」

 ――「THE SECOND」の32組に残った中で、女性はあやのさんだけ

「純粋にめちゃくちゃうれしかった。続けてきたことがムダにならなかった。32組発表の際には『私、まだこんなにジャンプできるんだ』とびっくりするくらい跳びはねました。女芸人で長く続けるのは難しいことだと思います。結婚や出産などがあり、長くコンビを続ける女芸人は少ない気がします。私はまだ独り身なので! 女芸人も面白いんだよって全力で伝えたいと勝手に思いました。まだ決勝トーナメントに進んだ女性は一人もいないので、次は決勝トーナメントに残りたいと勝手に思っています」

 ――長くコンビを組み続ける秘訣は

「はっきり言って意地です! ここまで応援してくれている家族やマネジャーさんのためにも、ここで終わっちゃいけないなっていう気持ちが強い。あとは解散しても兄妹関係が続くってことですかね? 普通のコンビみたいに解散したら会わなくなるわけじゃなくて親族の冠婚葬祭で顔を合わせる。だから解散は考えられないですね」

 お笑いで諦めず成長し続けるのは容易ではありません。そんな本田兄妹の活躍が今後も楽しみです。