亡くなった長嶋茂雄さんに〝幻のCD〟が存在した。タイトルは「背番号3 長嶋さんありがとう!!」(テイチクエンタテインメント)。メモリアルなシーンの実況のほか、著名ファンとの対談なども収められたドキュメントCDとなっている。著名ファンの中にはビートたけしや中居正広氏も出演しているだけに貴重だが、すでに廃盤。関係者によると、長嶋さんの死去を受けて復刻が検討されているという。
2002年3月に発売されたこのCDでは、長嶋さんがメモリアルエピソードと男の美学を語っている。伝説のシーンの実況も自らチョイス。声の出演・ナレーションとして徳光和夫、長嶋茂雄さん、砂押邦信さん、王貞治氏、ビートたけし、中村勘九郎、中居正広氏が名前を連ねている。
トラック1は「2001年の9月30日東京ドームでの監督引退セレモニーその1」だ。長嶋さんは「本日、観戦していただきましたスタンドの皆さん。全国プロ野球のみなさま。2001年のペナント終了を持ちまして、監督を退任いたします」とあいさつ。するとナレーションの徳光が「日本のプロ野球界を支えてきた一人の偉大なスーパースターが栄光の背番号3を脱ぎ、勇退の道を選んだ。その名は長嶋茂雄」と伝えてCDは始まる。
ほかには、1957年の東京六大学野球の慶応戦で大学新記録となる8号ホームランを放った時や、58年のデビュー戦で金田正一投手から4打席連続空振り三振に終わった時、さらには59年の天覧試合で村山実投手からサヨナラホームランを打った時の実況も収録。もちろん、74年の現役引退試合での「我が巨人軍は永久に不滅です」の名言もある。
デビュー戦で4打席連続空振り三振に終わったことを、長嶋さんは「雷を落とされたようなもんですよ」と告白。根っからの野球好きで知られ、1月に芸能界を引退した中居さんは、長嶋さんの魅力について華麗なプレーだけではなく「(相手のことを)丁寧に考えてくれているというのか、やさしさというのが魅力じゃないかなと思います」と語っている。
このCDが制作されるきっかけとなったのは長嶋さんの監督引退だった。
当時を知る音楽関係者は「ユニホームを脱ぐというタイミングで、1959年に石原裕次郎さんが歌った『男の友情背番号・3』という楽曲をもう一度、世の中に送り出したいという企画からスタートした」と振り返った。
長嶋さんが裕次郎さんと知り合ったのは巨人入団前。ある対談を機に2人に友情が芽生え、長嶋さんが新人王を獲得した翌年に同曲が発売された。
「楽曲ありきで始まった企画でしたが、どんどん話が大きくなって、ドキュメントCDのような形式にまでになった」(同)
だが、当時は約7000枚しか売れず、現在は廃盤。それだけにファンの間では〝幻のCD〟となっているという。
発売元のテイチクエンタテインメント関係者は「業界内でも知る人ぞ知るCDと言ってもいいかもしれませんが、問い合わせはいくつか来ている。今はこのCDの権利関係を確認している最中で、何とか復刻盤を出せればと考えているところ」と明かした。
国民的大スターの足跡を振り返るという意味でも、復刻されれば貴重な一枚となりそうだ。













