“女芸人マニア”として知られているお笑いコンビ「馬鹿よ貴方は」の新道竜巳が、これから“馬鹿売れ”しそうな女芸人を紹介するこの連載。今回は、結成からまだ1年もたっていないのに賞レースで結果を出している、才能豊かな若い女性コンビを紹介する――。 

“才能”という言葉がこれほど似合うコンビはいないと思います。

【プロフィル】
 コンビ名‥とりせん
 養成所‥NSC東京校29期(2023年4月入学)
 所属‥吉本興業
 コンビ結成‥2024年7月21日
 写真右‥ミイ
 生年月日‥2000年5月12日
 出身‥東京都
 写真左‥松平
 生年月日‥2004年12月28日
 出身‥埼玉県

 ミイさんは先日、25歳の誕生日にオビツミイからミイに芸名を変えたそうです。松平さんは養成所時代に組んでいた「星ネギ」というコンビで、23年に「THE W」の準決勝に勝ち進みました。その後、残念ながら解散してしまいましたが、昨年は「とりせん」でも結成わずか半年で準決勝に勝ち上がるという快挙を成し遂げました。

 多くの芸人は何をやってもウケず、いろんなことを試しているうちに10年が過ぎる、なんてこともザラにある。中には方向性も定まらないまま、「M―1グランプリ」のラストイヤーである結成15年を過ぎてしまう人もいます。15年間、ずっと1回戦敗退なんて芸人もいるんです。

 でも松平さんはコンビを変えても賞レースで結果を残している。本当に快挙と言っていい。そのぐらい笑いの形が見えていて、台本に書き起こす能力が優れているということだと思います。

 このコンビは松平さんが台本を書き、ミイさんがプレーヤーを担当している。漫才中の動きのメインとなるボケのミイさんは、もともと舞台の経験があり、演技の経験もあるので、動きのきれいさと空気を読む能力にたけています。

 そんな2人に話を聞いてみました。

 ――お笑いを始めたきっかけは

 ミイ「もともと演劇をやっていたが、入りたい劇団にミイに意地悪してきた子が入ると言ったから、対抗心で始めた」

 松平「小さい頃からお笑いが好きだったのと、高校の進路相談で親と先生をびっくりさせたかったのでNSCに入りました」

 ――松平さんは、前に組んでいたコンビでも今回のコンビでも組んですぐに「THE W」準決勝に進出

 松平「一昨年も昨年も予選の前に大風邪をひいてしまい、漫才中、咳が出ないように祈りながらネタをしたので、変に緊張せずできたのが大きい気がします」

 ――松平さんはバイトをせずに活動していますが、生活は大丈夫?

 松平「実家暮らしなので最低限の生活は大丈夫ですが、交通費などで日に日に貯金が減っていき、何もぜいたくができないところまできました。と言いつつ、コンビニのATMは手数料を気にせず使ってしまいます」

 ――ミイさんは家がお金持ちだとか

 ミイ「幼稚園から高校まで私立のお嬢さま学校(給食でハーゲンダッツが出る)で育ち、今でも何不自由なく家族カードで生活をしている」

 ――将来の目標は

 ミイ「マジで世界平和にしたい! あとはおさんぽ番組をやりたい。賞レースの賞金でシャネルのバッグ欲しい。ミュージカルに出たい」

 松平「女性アイドルと共演したいです」

 ――2人の趣味は 

 ミイ「ショッピングとファッションと観劇」

 松平「FPSゲーム、漫画、大富豪(トランプ)」

 ――ネタの作り方は

 松平「実際に自分が体験して楽しかったことを題材にすることが多いです。そのせいで学校関連のネタが多い」

 ――影響されたお笑い番組、芸人は

 ミイ「番組は『爆笑レッドシアター』。芸人は元キングオブコメディの今野浩喜さん」

 松平「『太川蛭子の旅バラ』(テレビ東京系)」

 華もあり、愛嬌もある。とりせんがMCを務める番組が見られる日も遠くないかもしれません。

 ☆しんどう・たつみ 1977年4月15日生まれ、千葉県出身、本名・濱島英治郎。平井“ファラオ”光と組む「馬鹿よ貴方は」として「THE MANZAI」「M―1グランプリ」で決勝進出を果たした実力派。緻密なネタ作りに定評がある一方、女芸人ナンバーワン決定戦「THE W」では、予選会場に足しげく通い、ほとんどの出場者のネタを見るほどの“女芸人マニア”。