ボクシングのWBA世界スーパーフライ級王座戦(11日、東京・大田区総合体育館)で、王者フェルナンド・マルティネス(33=アルゼンチン)に判定0―3で惜敗した同級6位の井岡一翔(36=志成)が、現役続行へ揺るがぬ闘志を口にした。

 圧力をかけながら前に出てくるマルティネスに、序盤は下がらされる場面もあった井岡。だが、決定的な被弾を避けつつ打ち合いを展開し、観客を沸かせた。すると9ラウンド(R)以降は相手に疲労の色が見え始め、徐々にペースをつかむ。10Rにはラッシュから強烈な左フックをアゴにヒットさせ、この試合で最初のダウンを奪った。

 最終12Rも打ち合いとなった激闘の結果は判定に委ねられ、マルティネスに軍配が上がった。ダウンを奪う健闘を見せたが、終盤まで押されたため判定で支持されず、リベンジとならなかった。それでもマルティネスと握手を交わして健闘を称え合い、スッキリした表情を見せた。その後、報道陣の前に姿を見せると「1R1R、全身全霊で戦うような感じでした」とやり切った表情を見せた。

試合後に恵美夫人(右)にねぎらわれ、表情が崩れる井岡一翔
試合後に恵美夫人(右)にねぎらわれ、表情が崩れる井岡一翔

 判定の結果を待っていた際の心境を問われ「最後の最後にダウンを取って負けている感じもなかったんですが、かなり熱くなっていたので客観的に見れなかったというか…。あっという間の12Rで、勝っているかどうか分からなかったです」と吐露。

 それを踏まえて「結果が全て。全力を出して負けたのでやり切った気持ちはあります」と受け入れた。逆転KOの最大のチャンスとなった10Rで〝トドメ〟をさせなかった点については「倒したい気持ちが先行してしまって、コンビネーションが出せなくて、一発一発になってしまいました」と唇をかんだ。

 注目される今後の去就について話題が及ぶと「今は気持ち的には、結果的に負けて、36歳になって『もうすぐ引退かな…』っていう気持ちは別にないです」と現役続行の意向を表明。

 さらに「この試合に向けてはやりきったけど、ボクシング人生はやり切って引退しますっていう感じではないです。別に限界は感じていないですね」と続けた。

 リベンジは失敗した井岡だが、終わりではない。今後に注目だ。