落語家の五代目桂米團治、桂吉弥、笑福亭鉄瓶が8日、NHK大阪放送局で行われた「桂米朝~この世に上方落語を残した男」(仮)のスタジオ収録取材会に出席した。

 同番組は、今年生誕100年の落語家・桂米朝(1925~2015)の足跡をドキュメントとドラマシーンでたどるというもの。ドラマシーンでは吉弥が若き日の桂米朝(中川清)さんを演じ、30代の頃の笑福亭光鶴(松鶴)さんを鉄瓶が演じる。

 米團治は「本当に不思議ですね。米朝が生きてりゃ100歳。NHK(大阪放送局の)放送開始100年というのが重なりまして、そこで昭和100年でもあるんですよね」と説明した。

 同番組のドラマパートで〝四代目〟桂米團治を演じた米團治は「深く考えないようにして、今日はやってます。自然体で、口をついて出る言葉が、ひょっとしたら先代が思ってたことちゃうのみたいな気持ちで。みんな知らへんからラクやなと思いながら、やらせていただいております」と語り、吉弥の演技について「やってると若い頃の米朝に見えてくるんですよ」と褒めたが「でも米朝の名は譲れないと思いますよ」と言い笑わせた。

 ドラマ内で四代目に扮した米團治は、弟子入りを願い出る中川さんに「上方落語に未来はない」と言い、諭すシーンがある。

 そのシーンについて米團治は「先代、米團治師匠が言わはったか、誰も分からないんですよ。でもまあ、本当に食うや食わずだったし、落語界もないし。素人時代の米朝が米團治師匠に仕事を持ってきたくらいの状況でしたから。その師匠の気持ちとして、せっぱつまったという気持ちで思わず口をついて出たということやと思います」と持論を述べた。

 吉弥は「重たい言葉やし、若き米朝に『おまえ、もうかれへんから止めとけ』と言った言葉かもしれません。今、毎年の入門者も年に1人とか2人とかね。今、考えなアカンのかなって…。今、これを放送するっていうのも、僕らにも刺激になる」と危機感を募らせた。

 笑福亭松鶴役の鉄瓶も「未来ないって言葉、僕らに対しても結構、刺激的な言葉ですね。これから中堅に向かおうとする僕らくらいの年齢の人間は、そのバトンを20代とか10代の人に渡せるように僕らはやっぱり、がんばっていかないといけないな。重たい言葉やと思って受け取ってます」と吉弥の言葉に賛同を示した。

 それを聞いていた米團治が鉄瓶に「次の(笑福亭)松鶴が決まりそうですね。八代目やろ」とからかうと、焦った様子の鉄瓶は「冗談でも書いたらダメですよ。直系から電話がかかってきます」と苦笑いを浮かべていた。

 同番組は、6月21日・午後7時30分からNHKの関西ローカルで放送予定だ。