【取材の裏側 現場ノート】大相撲の大関琴桜(27=佐渡ヶ嶽)が自身初のカド番で現在開催中の春場所を迎えた。昨年11月の九州場所で初優勝を遂げたが、綱取りがかかった先場所は5勝10敗で負け越しとなった。

 番付社会の角界では幕下以下は給与がなく、本場所手当が2か月に1回の場所ごとに支給される。その額は幕下だと16万5000円。その一方で、関取になると毎月の給与が出て、付け人に身の回りの世話をしてもらえる。特に大関は三役(関脇、小結)から月給が70万円増の250万円になり、新幹線はグリーン席になるなど、ワンランク上の待遇を受けられる。

 この番付による序列は、力士同士の上下関係にも持ち込まれる。中には少ないながらも横柄になる力士もいる中、琴桜の付け人を務める弟弟子の幕下琴大進(24)は、普段の先輩の人柄をこう明かす。「あんなに優しい大関はいない。あんまり良い言い方じゃないけど、そんなに上下関係がない。稽古のときは怒られることもあるけど、いい相撲を取って褒めてもらえることもある。自分たちの体のことを考えて(ケガの)治療先も紹介してくれ、大関の知り合いのところに連れて行ってもらったこともある」

〝心優しき〟兄弟子を慕う琴大進は、現体重の約150キロから10キロ程度の増量を目指している。琴桜は付け人の状況も細かく把握しており、場所中も連日焼き肉店に連れて行ってくれるといい「無理して食べるよりも、おいしく食べたら一番体重が増える」とアドバイスを受けたという。

 入社2年目の記者は琴大進と同じ24歳、その琴桜を慕う気持ちに共感できた。東スポは独特な社風から、ほかの新聞社とは異なる〝ネタ〟を連日用意する必要があり、これが難しい。いざネタをつかんでも、デスクから内容の問題点を厳しく指摘されて、ボツになることも珍しくない。そうなれば当然落ち込むが、たまに先輩社員から原稿を褒められると、仕事のやる気も上がるものだ。

 厳しい番付社会の中で奮闘する2人の関係に今後も注目していきたい。