前RIZINフェザー級王者で〝天下無双の稲妻ボーイ〟こと鈴木千裕(25)が独占インタビューに応じ、注目を集めた死闘の舞台裏や今後のプランを激白した。昨年大みそかの格闘技イベント「RIZIN.49」(さいたまスーパーアリーナ)で、クレベル・コイケ(35=ブラジル)とのタイトル戦に臨むも判定0―3で敗れて王座から陥落。年をまたいで行われた激闘は、多くのファンの心を打った。そんな鈴木が描く再起の道とは――。

年をまたいだ激戦は、鈴木(右)の判定負けに終わった
年をまたいだ激戦は、鈴木(右)の判定負けに終わった

 ――大みそかはお疲れさまでした

 鈴木 ありがとうございます。今、自分が持っている能力を出し切った結果なので、悔いはないです。課題ができたので、試合が終わって控室で試合動画をチームのみんなと見て「クレベルのところに(練習に)行こう!」となりました。

 ――では、まず試合の振り返りから。相手がタックルから引き込んでくるのは想定していたのか

 鈴木 していましたね。それでも(ペースを)持っていかれるっていうのがすごいので、それを学びたいです。

 ――それでも終盤の三角絞めを脱出するなど、一本は許さなかった

 鈴木 頑張って外しました。苦しかったけど。

 ――試合全体をどう見るか。接戦に見えたが

 鈴木 競っていたんじゃないですかね。手数で言ったら取られていますけど、後半にダメージを取り返したので。

 ――3ラウンドにヒジ打ちで流血させた

 鈴木 あそこでカットを取った時に、冷静にスタンドに戻せば、また展開は変わったと思うんです。それは(セコンドにも)「立てば勝ってたよ」って言われました。でも、とにかくKOしたかった。それで「結果がどうあれ攻めに行こう」と思って前に行っちゃったんです。で、結果的にマウントを取られた。僕の判断で負けたから悔いはないです。課題が残った。

真摯にインタビューに答える鈴木
真摯にインタビューに答える鈴木

 ――その課題とは

 鈴木 クレベルです。

 ――どういうことか

 鈴木 彼のマインドを取り入れることができれば、負ける要因がなくなると思うんです。ドラゴンボールでいう〝フュージョン〟です。「悟空とベジータを合わせたら強い」みたいな。もちろんまるまるコピーはできないし、鍛錬も必要です。数か月程度では学び切れないですけど、練習への向き合い方とかマインドの部分は習得できると思うんで。だから(出稽古に)行きます。同じ高みを目指す者同士で、受け入れてくれていると思う。

 ――クレベルのもとでクレベルそのものを学びたいということか

 鈴木 そうです。試合後にDMで「戦ってくれてありがとうございます。お互いのケガが癒えたら練習に行かせてください」って送ったんです。そしたら「いいよー、おいで」って言ってくれたので。

 ――「ボンサイ柔術名古屋 クレベルコイケジム」に出向くと

 鈴木 行きます。数週間か1か月くらい、住み込みで行かせてもらおうと思っています。

 ――試合で相当通じるものがあったようだ

 鈴木 殴り合うと普通より仲良くなるんですよ。しかも僕らは2回殴り合っているんで(笑い)。僕らはスポーツとしてMMA(総合格闘技)をやっている。「ケンカだ」「殺し合いだ」っていう気持ちで臨むのとは違うと思うんです。そういう面で、クレベルと同じものを感じました。もちろんファイターとしては嫌いです。強いからムカつきます。だけどリスペクトしています。

 ――今年の展望は

 鈴木 年内のベルト奪還です。最短でタイトルマッチにたどり着きたいですね。

 ――本紙での登場回数も増やしていただきたい

 鈴木 ぜひぜひ。

 ――例えば読者の人生相談とかどうですか

 鈴木 いいっすよ。どんな相談にもしびれる回答を送りますよ!

 ☆すずき・ちひろ 1999年5月14日生まれ。東京都出身。3歳から伝統派空手を始め、中学生の時に総合格闘技(MMA)に転向。2017年2月にパンクラスでプロデビューし、18年ネオブラッドトーナメントフライ級で優勝した。23年6月のRIZINフェザー級王座戦で初めてクレベル・コイケと対戦。敗れたがクレベルは前日計量をクリアできず、ノーコンテストとなった。その後、同年11月にヴガール・ケラモフを破り、第5代王座を獲得。昨年大みそかの防衛戦でクレベルと再戦したが敗れて王座から陥落した。173センチ、66キロ。