29日に放送されたNHK連続テレビ小説「ブギウギ」最終回は、ヒロイン・スズ子(趣里)の歌手ラストステージを中心に描かれた。
スズ子のモデルとなった「ブギの女王」笠置シヅ子は1957年に歌手を引退したとされ、「ブギウギ」の設定もそれに合わせている。当時42歳ごろ。85年に卵巣がんのため死去するまで28年間の「その後」は放送されなかった。
X(旧ツイッター)の視聴者投稿では「もう少し先まで描いてほしかったって感じかな」との反応も。「日曜昼の『家族そろって歌合戦』の審査員をされていたのが私の知る笠置シヅ子さん」という認識が少なくない。歌手時代を直接知る人はおおむね70代後半以上のため、それより若い世代は、愛嬌ある〝歌合戦の審査員おばさん〟といった方がピンとくるに違いない。
笠置が67年から出演したTBS系の同番組は80年まで続いた。素人参加で「ウサギさん」など動物名をつけられたチームによる勝ち抜き戦。動物イラストのパネルがトーナメントのあみだを上がったり、落ちたりするビジュアルが印象的だった。審査員には何かと一句詠む高木東六氏ら作曲家がズラリ。昭和40~50年代、日曜昼の国民的娯楽番組と言えた。
後に、プロ野球の「親分」こと大沢啓二氏が日本ハム監督時代、広岡達朗監督率いる西武の栄養指導に触れて「ヤギさんチームに負けるわけにはいかない」と言い放ったが、動物とチームの組み合わせは同番組の代名詞だった。
歌手引退後の笠置は、それ以前にも経験のあった演技の世界に専念。80年刊行のキネマ旬報増刊「日本映画俳優全集・女優編」によると、「河内ぞろ・どけち虫」「川日ぞろ・あばれ凧」「河内ぞろ・喧嘩軍鶏」の日活シリーズ作で「得意の大阪弁を生かして伊藤雄之助の女房で悪名高いどけち虫三兄弟・宍戸錠、川地民夫、山内賢の母親を巧演」とある。
引退当時の57年にはラジオ東京テレビ(現TBS)の連続ドラマ「雨だれ母さん」で、逆境にめげずに明るく2児を育てる下町の母親を好演。60年代前半のフジテレビ系「台風家族」で下町のおかみさん役のほか、ヤクザ映画や喜劇でも活躍した。「ブギウギ」がそこまでカバーしていたら、別のスズ子が見られたかもしれない。












