ダウンタウンの松本人志(60)が女性問題を報じた週刊文春を提訴し、5億5000万円の損害賠償などを求めた訴訟で、松本側が休業補償の請求は可能と主張していることが分かった。松本は文春の報道を受けて自ら活動休止。休業補償を求めれば請求額は5億5000万円から増額され、議論を呼ぶことは必至だ。

 松本は2015年に都内の高級ホテルで開かれた飲み会で、複数の女性に同意ナシで性的行為を強要したなどと昨年12月に文春に報じられ、事実無根として発行元の文芸春秋と文春編集長を提訴した。5億5000万円の損害賠償などの巨額請求は世間を驚かせた。

 訴訟の第1回口頭弁論が28日、東京地裁(高木勝己)であり、文春側は「同意のない性的行為は真実」などとして請求棄却を求めた。

 閉廷後に、松本の弁護団は記者団の取材に対応。〝主任弁護士〟である田代政弘弁護士によると、この日出廷しなかった松本は「本人尋問が行われることになれば出廷を拒否しない」と話したという。

 松本の弁護団の一人、栗原正晴弁護士は請求額5億5000万円の内訳について「慰謝料が5億円、弁護士費用が5000万円」と説明した。

 吉本興業の1月の声明で、松本が文春との訴訟に注力するため活動休止したいなどと自ら申し入れたことが明らかになっており、実際に活動休止中。これを踏まえ、栗原弁護士は5億5000万円に休業補償は含まれていないとした。

 ただ、松本側は休業補償の請求は可能と主張していることが分かった。法曹関係者の話。

「芸能人の訴訟でタレントが性加害報道により休業し、その補償を求めた前例は皆無。それでも、松本さん側は強気で休業補償はできると踏んでいます」

 実際に松本側が東京地裁に提出した書面では「休業損害についても請求が可能な事案だが、原告(松本)にとっての至上命題は名誉回復であるため慰謝料の請求に限定した。今後の展開次第では原告の請求を拡張する可能性もある」と主張している。

 松本は自ら活動休止し、それで休業補償を求めれば請求額は5億5000万円から上積みされ、議論を呼ぶことは必至。松本は超が付く売れっ子で年収は億単位とされ、休業補償額は見当もつかない。法曹の専門家でも見解は割れ、世間でも賛否両論となるだろう。

 テレビ番組で活躍する北村晴男弁護士は6日配信のユーチューブチャンネルの動画で、松本は「ご自身から休業宣言している」と指摘。休業補償は「認められない可能性の方が高いかなと思う」と分析している。

 訴訟の次回期日は6月5日で弁論準備手続きに入るため非公開になる。この日の口頭弁論で、松本側は性的行為を「強要」していないと主張したが、文春側は「強要」の解釈は人によって異なり、争点は真実相当性にあると訴えている。双方の意見がかみ合っておらず、弁論準備手続きで争点整理などを図る。長期戦の様相だ。