ボートレース戸田のSG「第59回ボートレースクラシック」が15日に開幕する。歴史と伝統ある大会に昨年の記念戦線をリードしたトップレーサーが集結。しかし、ボートレースファン歴46年の元天才ジョッキー田原成貴氏(65)は戸田開催と同タイトルを〝荒れる大会〟と位置づけ、意外性ある若手レーサーに着目した。約半世紀もボートを見続けてきた天才が「波乱」を予見する理由とは?
【田原成貴氏が熱く語る】
いよいよ今年初のSGレース。早くも気持ちが高揚しているが、今回はそれに輪をかけてワクワクが抑えきれない。オレが大好きなまくり、まくり差しが利く戸田水面であり、なおかつ伏兵選手が台頭する大会だからだ。
戸田開催と聞くと、ボートレースファンなら誰しも「イン受難」の印象を持つはずだ。実際に過去6か月のイン1着率を調べてみると41・6%。全国平均を大きく下回るワーストの数字だ。これを見せられると、たとえ実力者がインに入ったとしても買い控えたくなる。一方、センター枠はどうか? 3コースの16・9%、4コースの15・0%はともに全国トップの数字。先ほどのイン1着率と合わせて見ると、まくりやまくり差しが大好きなオレがどれほど心躍るか分かるだろう。
そして、オレを興奮させるもう一つの理由は「ボートレースクラシック」というタイトルにある。昨年は土屋智則選手(群馬)がSG初優勝を飾り、その前年は遠藤エミ選手(滋賀)が女子初のSG制覇の偉業を達成。オレは「鳳凰賞」「総理杯」と呼ばれていた時代から見続けてきたが、昔から「伏兵が活躍する大会だな」と感じていた。これはいい機会だと思い、東スポスタッフに過去の優勝者を調べてもらうと合点がいった。なんと過去58回中、32人もの初SGウイナーが誕生していたのだ。近20年を見ても笠原亮選手(2005年)、中沢和志選手(2006年)、山口剛選手(2010年)、馬袋義則選手(2012年)、桐生順平選手(2015年)、そして前述2選手を合わせて7人がSG初制覇。オレのぼんやりした肌感覚は正しかったわけだ。
競馬でも伏兵が活躍するイメージが強いレースはある。あくまでオレの感覚だが「オークス」がそれだ。古い話で恐縮だが、9番人気のトウカイローマンを勝利に導いた岡富俊一騎手(1984年)、10番人気のコスモドリーム(1988年)で制した熊沢重文騎手はともにデビュー3年目の若武者。人馬ともにGⅠ初優勝を飾り、競馬界に新風を吹き込んだシーンは今も脳裏に刻まれている。それと似たような「波乱」のにおいを感じさせるのがボートレースクラシックなのだ。
もちろんスーパースター峰竜太選手(佐賀)やグランプリ覇者・石野貴之選手(大阪)が幅を利かせるだろうが、あえてオレは伏兵選手に注目したい。昨年のダービーで予選2位と大躍進(準優6着)した新開航選手(福岡)、遠藤選手が歴史的快挙を達成した一昨年の大会で準優勝した上條暢嵩選手(大阪)には何かやってくれそうな雰囲気が漂っている。
クラシックが開催される3月中旬は強風が多い季節。狭い戸田水面で春の嵐のようにダイナミックに駆け抜け、SG初Vの美酒を味わう若手レーサーの姿が今から目に浮かぶ。












