「ドラゴンボール」「Dr.スランプ」などで知られる人気漫画家の鳥山明(とりやま・あきら)さんが1日、急性硬膜下血腫で死去した。68歳だった。最大のヒット作となった「ドラゴンボール」は世界累計で発行部数2億6000万部超え。主人公である「孫悟空」は今でも世界中から愛されているキャラだが、当の鳥山さん自身は「悟空は嫌い」とグチりながら描いたこともあったという。
鳥山さんは1980年に「週刊少年ジャンプ」で漫画「Dr.スランプ」の連載を開始。1984年から連載を開始した「ドラゴンボール」は爆発的なヒット。アニメ化&映画化と次々と映像化され、日本の「マンガ文化」を世界に発信する代表的な作品となった。
鳥山さんの功績はマンガやアニメ界にとどまらず、国民的RPGゲーム「ドラゴンクエスト」シリーズのキャラクターデザインを担当したことでも知られる。
「スラムダンク」の作者・井上雄彦氏や「ワンピース」の作者・尾田栄一郎氏ら数えきれない漫画家に多大な影響を与えたが、一方で「面倒くさがりな性格」でも知られ、それを象徴するエピソードも多数存在している。
「『Dr.スランプ』では丸い山に木があるだけの背景にしたり、『ドラゴンボール』は戦闘シーンに入るとすぐに街から荒野に移動したり、敵が街を吹き飛ばして荒野にしたりした。その理由について、鳥山さん自身が『背景を描くのが大変だから』と明かしたこともあった」(出版関係者)
ドラゴンボールといえば、主人公・孫悟空ら戦闘種族であるサイヤ人が「超サイヤ人(スーパーサイヤ人)」という強力な変身形態となるが、金髪にした理由は「髪のベタを塗る時間を節約するため」だったというのも有名だ。
とはいえ、「ドラゴンクエスト」など人気ゲームの仕事も抱え、徹夜が当たり前の超多忙な日々を過ごす中では効率化せざるをえない事情もあり、〝ものぐさ〟では片づけられない面もあった。
10年半に及んだドラゴンボールの連載が終わった際は「やっとわしはドラゴンボールから解放された!」などと漫画で素直に喜びを爆発させていたのも印象的。連載中には「悟空(孫悟空)が嫌い」とこぼしたこともあったという。
「『Dr.スランプ』はギャグ漫画ですし、『ドラゴンボール』の序盤はコミカルな描写も多かった。しかし、人気が上がると戦闘シーンがメインになり、ギャグ要素を入れることが難しくなった。ギャグ漫画を描きたかった鳥山さんは作品への思いも後ろ向きになり、早くやめたくて作中で主人公の悟空が死んでしまうエピソードを描いたこともあったほど。鳥山さん自身は『1年ぐらいで終わると思っていた』と、当初は長期連載になると考えていなかった」(同)
綿密に物語を考えながら描いていたわけではなく、描きながら物語を臨機応変に紡いでいたという。まさかこれほど世界で愛される作品になるとは鳥山さん自身も思ってもいなかっただろう。












