落語協会は26日、林家正楽さんが21日午前6時29分に死去したことを明らかにした。76歳だった。最後の寄席は19日の末広亭だった。

 正楽さんは東京都目黒区出身。協会ホームページによると、1966年に二代目林家正楽に入門し、芸名「一楽」を名乗った。88年に「林家小正楽」を襲名。2000年に三代目正楽を襲名した。

 寄席紙切りの第一人者で、客の注文に応じて確実に、綺麗に切り抜いていく。気負いを見せない淡々とした芸。短いが洒落の利いた言葉の数々も含め、センスの良さが光った。20年に芸術選奨文部科学大臣賞(大衆芸能部門=19年度)、23年に浅草芸能大賞を受賞している。

 協会の柳亭市馬会長は発表に際し寄せたコメントで「正楽さんは誰よりも寄席が好きで、寄席を大切にする芸人でした。まず一年中、どこかの寄席に、必ずと言っていいぐらい、出演していました」と故人をしのんだ。続けて「今年の正月興行もいつも通り、お客様の注文に、見事に応えていたのですが、亡くなる前日、急に休まれたので、普段そういう人ではないだけに、余程調子が悪いのでは?と心配していましたが、こんなに早く、お別れする事になろうとは、夢にも思いませんでした」と明かした。

「正楽さんにもう会えないのか、あの芸を見られないのかと思うと、とても辛い。悲しくて、寂しくて、どうかなってしまいそうです。協会員も、いや正楽さんを知る人は皆、そうなると思います。今はただ、一緒に高座をつとめられた喜びと、楽しかった思い出を噛みしめつつ、ご冥福をお祈り申し上げるだけです。三代目林家正楽師匠、長い間、本当に長い間、ありがとうございました。お疲れさまでした。好きな焼酎のお湯割り、ゆっくりやって下さい。またどこかで、会いましょう」

 新宿の末広亭のX(旧ツイッター)にここ数日の出番表が掲載されている。正楽さんの名は20日にもあったが、無念の休みとなった。