ジャニーズ性加害問題当事者の会のメンバーらが15日、都内で会見を行い、「SMILE―UP.」(旧ジャニーズ事務所)の補償対応について報告した。その中で明らかになったのは、被害者は今も苦しんでいることだ。元ジャニーズJr.(現ジュニア)のメンバーが職場での2次被害について告白した――。

 現在「SMILE―UP.」は被害者補償を進めている。

 15日に同社公式サイトで公表された補償状況によると、補償受付窓口には939人から申告があり、内容について合意に至ったのは156人。うち補償金を支払ったのは125人と報告した。同サイトは「弊社は、引き続き誠心誠意、被害補償に取り組んでまいります」としている。

 当事者の会副代表を務める石丸志門氏はこの日の会見で「被害者救済委員会や『SMILE―UP.』は、被害者が安心感をもって対話できる環境を整えてほしい」と改めて訴えた。

 在籍確認がとれなかった被害者に救済委員会ではなく、「SMILE―UP.」が対応しているが、「メンタルケアの専門家が不在の場で被害を申告するのはつらい。面談後にひどく落ち込むケースがある」と話す。

 また、当事者の会は昨年から、補償内容について秘匿条項をつけないことや補償の基準を示すことを要望してきたが、拒否されていることも問題だとした。

「被害者救済委員会を通してほしいの一辺倒で、被害者にしっかり向き合っているとはいいがたい」(石丸氏)

当事者の会のメンバーらが会見で補償対応について報告した(左から杉山和也弁護士、岡田幸治氏、石丸志門氏、倉田順一氏、実名で告白した川井研一郎氏)
当事者の会のメンバーらが会見で補償対応について報告した(左から杉山和也弁護士、岡田幸治氏、石丸志門氏、倉田順一氏、実名で告白した川井研一郎氏)

「SMILE―UP.」は十分なケアをしながら、少しでも早い被害者救済が望まれる。というのも、ただでさえ苦しんでいる被害者がさらにつらい思いをするケースがあるからだ。特に職場での〝2次被害〟は少なくない。

 少年隊のバックでも踊った経験のある元ジャニーズJr.の岡田幸治氏もその一人。今回取材に応じ、以前勤めていた職場で冷やかしを受けたことを告白した。

「身元がバレてしまったんです。職場で『(被害補償として)いくらもらうの?』『(性被害を受けた)あの人、どこにいるの?』とちゃかされたりしました。そのため転職を余儀なくされてしまいました」

 現在の勤め先の会社社長は理解があり、「岡田くんは会社が守る。安心してください」と言ってくれているという。

 ほかにも、同じ元ジャニーズJr.のある男性も職場に誹謗中傷のメールや電話が殺到したことを以前明かしたことがある。上司からは「もうやめたら?」と心ない言葉を浴びせられ、取引先からは「(被害補償の)金が入ったらおごってくれ」とやゆされたという。精神的なダメージは甚大だったようだ。

 今も過去の被害に苦しんでいる被害者が、さらなる被害に遭ってはならない。