ボクシングのWBA世界スーパーフライ級王者・井岡一翔(34=志成)が25日、一夜明け会見に出席。試合前に騒動となった大麻成分検出問題について、改めて言及した。

 井岡は24日に大田区総合体育会大会で前WBA同級王者ジョシュア・フランコ(米国)を判定3―0で破り世界王者に返り咲いた。昨年大みそかの統一戦がドローに終わった因縁の相手の3キロ体重超過という前代未聞の展開の中で結果を残してみせた。

 試合前の21日深夜にはJBCが、前戦の井岡の尿検体から大麻成分の代謝物が検出されたことを発表。世界ドーピング防止機構の基準を超えていなかったため試合開催には問題なく、井岡の潔白を主張する志成ジムはJBCの発表タイミングに疑義を呈していた。

 世界王者に返り咲いて一夜明けたこの日の会見で井岡は「乗り越えたとかそういう気持ちはないですね。雑音と言ったら失礼な言い方かもしれないですけど、自分が望んでないことだったり起きた問題に対してはそこを重視していないので。自分がやるべきことをやっていけば必ず道は開かれると思っています」とトラブル続きだった世界戦を振り返った。前夜にもJBCの発表手順に疑問を投げかけていたが、その主張は変わらない。

 2020年大みそかの試合後のドーピング検査でも大麻を含む禁止薬物の陽性反応が検出された。当時はJBCのずさんな管理体制が問題になり、全面的に非を認め謝罪している。井岡は「もっとさかのぼればもっと大きな問題があったわけじゃないですか。今回じゃあ順序として改善できているのかと言ったらできてないと思うし。いろんなことの順序が違うと思うし、それによって今回の試合ができるかどうかという危機もあったと思うし。それってJBCの仕事としておかしいじゃないですか。半年近くたった段階で言うんじゃなくて、もっと早く、効率よく。出たんだったら出たことに対して順序があると思うし」と指摘。「僕たちからすれば(試合を)妨げられてるようにしか感じないし。100%、JBCに対して僕も信頼を持っているわけじゃないので。こういうことが起きて順序が違ったりしたら、なんか邪魔されてるのかなと僕もとらえるので」と憤った。

 さらに検出されたのが微量だったため、試合開催に問題はなく処罰もないにもかかわらず公にされたことにも不満をあらわにした。「別にドーピング違反でもなくて、犯罪でもなくて、何もないのであれば、JBCとWBAでもっと早く話し合って、僕たちと話し合って、そうすればこの試合に対しての不安は起こらなかったわけじゃないですか」とバッサリ。「結果として何もないなら何もないでいいじゃないですか。出てる量とかって聞きました? 違反でもないというか、微々たるもんのレベルじゃないですよ? その時点でルールとして何もなければ、何もないし。だからこれ以上話すことも何もないと思ってます」と、本来であれば自身に説明義務はないと主張した。

 一方で名誉を傷つけられた事実は変わりなく、潔白を証明するための動きを陣営としては検討しているという。井岡本人は「かなり時間をかけてさかのぼらないといけないと思いますよ。僕がどうこうという言葉だけじゃなく、それをたどろうと思ったら、この半年間全部を探るのって相当な時間がかかって。それをやるのに、僕たちは次に向かってここから走っていくのに、またそれを妨げられるように感じますよ」と語ったが、今後の動向にも注目が集まる。