歌舞伎俳優・市川猿之助(47)の救急搬送事件から2週間近くがたった。6月16日公開の出演映画「劇場版 緊急取調室 THE FINAL」公開が危ぶまれるなど、余波は広がる一方だ。ついにはドラマ&映画界で昨今ブームになっていた〝歌舞伎俳優の起用〟が見直されることになりそうだ。

 急きょ猿之助が〝不在〟となったことで、歌舞伎界は大慌て。28日に千秋楽を迎えた「市川猿之助奮闘歌舞伎公演」(東京・明治座)では、市川團子と中村隼人が昼の部と夜の部でそれぞれ代役を務めた。猿之助が出演予定だった「六月大歌舞伎」も、中村壱太郎が代役を務めると発表した。

 なんとか穴を埋めた歌舞伎界だが、映画はそう簡単にはいきそうもない。猿之助は天海祐希の主演映画「劇場版 緊急取調室 THE FINAL」で、警視庁捜査一課の緊急事案対応取調班(通称キントリ)が立ち向かう内閣総理大臣・長内洋次郎役を演じている。

 予告編で「最後の敵は、内閣総理大臣」とキャッチフレーズが付けられているように、まさに〝ラスボス〟という重要なポジションだ。

「逮捕の可能性があり、公開に合わせたイベントで白紙になったものもある。お蔵入りや撮り直しを視野に入れながら、ひとまず公開延期の可能性が高い。テレビ朝日の人気ドラマシリーズの劇場版で、製作委員会にも名を連ねるテレ朝をはじめ制作陣は大混乱している」(テレ朝関係者)

 歌舞伎界にとどまらない活躍ぶりだった猿之助は昨年、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」やテレ朝系ドラマ「最初はパー」に出演しており、今後の再放送などへの影響も心配されている。

 近年、歌舞伎俳優が映画やドラマにキャスティングされる機会は多く、人気を博してきたが、その流れは大きく変わりそうだ。「理由は歌舞伎役者のスキャンダルが次々と報じられていること。昔は歌舞伎役者のスキャンダルには世間も寛容で〝治外法権扱い〟でしたが、今は時代が全く違う。週刊誌も歌舞伎役者を狙っており、それがいつ表に出るか分からないとなると、テレビ局や映画会社は怖くて歌舞伎役者の起用には慎重にならざるをえないのですよ」(同)

 昨年は猿之助のいとこ、香川照之(市川中車)が銀座のクラブホステスへの性加害を報じられ、出演予定だったTBS系日曜劇場「アトムの童」を直前で降板。TBSは急きょ代役を立て、撮り直しした。

 2013年の第1シリーズ、2020年の第2シリーズとも大ヒットしたTBS系日曜劇場「半沢直樹」では、香川や猿之助を筆頭に片岡愛之助や尾上松也も出演。ヒットの裏に〝歌舞伎役者があり〟を印象付けたが、その流れを止めてしまいそうなのが、香川と猿之助というのはなんとも皮肉な話だ。