◇山口剛(40)広島支部91期

 ボートレース大村のSG「第37回グランプリ」が13日に開幕する。2022年のボートレース界を力強くけん引してきた18人が〝トップの座″をかけて激突する。試行錯誤を繰り返しながら自らを磨き上げてきたトップレーサーの戦いは迫力十分。カウントダウンコラム「真髄を追い求めて」第2回は賞金ランク2位の山口剛が登場。12年ぶりのGP出場となる山口がつかんだボートレースの〝真髄〟とは――。

 グランプリ初戦はトライアル2ndに突入する大会3日目(15日)11Rの1号艇。「今、決まっているのは2ndの1号艇から発進ということだけ。とにかくインコースを取り切って逃げ切るだけです。一走一走の積み重ねしかやってきていない。その先のことを考えても仕方がない」とキッパリ言い切る。この目の前のレースに集中する姿勢が12年ぶりの大舞台出場につながった。

 今年は3月のとこなめ一般戦と6月のとこなめGⅠ69周年記念の2V。それでもコンスタントにSG、GⅠで優出。8月の浜名湖SGメモリアル準Vで賞金ランクトップに立った。10月のとこなめSGダービーで優勝した馬場貴也に首位の座は譲ったが山口も準V。11月の鳴門SGチャレンジカップでも準Vで賞金を積み上げた。

「先のことを考えなくなった。目の前の一走にしか集中していない。レースの大小も関係ない。だからメンタル的にブレはない。高まることもないし、緊張しすぎることもない。本当に冷静に目の前のレースを走れているというのが、特にある」と好調の要因を明かす。

 気持ちの揺れをなくすことで「他の人はSGの準優勝戦で慌ててミスをしているかもしれない。でも、自分はSGの準優とか関係なくやるべきことが見えている。だからミスもしていない」と安定感が生まれ、今年の好調につながったのだ。

 このブレないメンタルをつかむ〝事件〟があった。昨年のグランプリシリーズ初戦で転覆。「気が付いたら救急車の天井が見えていた。意識がなくなってお医者さんにも運が良かったと言われた。もともと思ってはいたことだけど、ますます目の前の一走を大事にするようになった。これが今年に入ってメンタル面の揺らぎがなくなったきっかけかもしれません」と振り返る。

 グランプリに向けても「楽しみとかはなく、グランプリだという感じはない。普通です。ワクワクとかもない」と気持ちの起伏はない。そして冒頭の「初戦の1号艇で逃げるだけ」というコメントにつながる。

 慌てず騒がず…。とにかく冷静に目の前のレースに集中する。様々な経験でつかんだ〝真髄〟をグランプリでも発揮する。