◇山口剛(40)広島支部91期

 最も伝統ある大会となる「第69回ダービー」が25日から30日までの6日間にわたってボートレースとこなめで開催される。選考基準は昨年8月から今年7月までの勝率。この1年間、高いレベルでコンスタントな走りを続けてきたトップレーサーが集結する。カウントダウンコラム「闘魂」最終回は現在、賞金ランク1位の山口剛が登場。白熱する〝闘い〟の中にある〝冷静な魂〟が安定した走りの源になっていることを明かした。

 23日時点で賞金ランクトップ。その心境について素直にこう打ち明ける。

「できすぎですよ。自分では活躍できているという感覚はない。人によっては〝どこで稼いでいるんだ〟とはっきり言う人もいます(笑い)。優勝も2回だし、目立った成績というのはあげられていない。だから〝賞金1位だぞ″という感覚もないんですよ。レースでもパンチがないですからね」。

 今年は3月のとこなめ一般戦と6月のとこなめGⅠ69周年記念の2V。ただ、優出は15回。その中には6月のからつグラチャン、8月の浜名湖メモリアルとGⅠ4回も含まれる。「今年はいいエンジンが引けていない。でも、悪いエンジンでもそんなに予選落ちをしていないのは見てほしいところですね」と、まさにコツコツと賞金を積み上げてきた結果だ。

 ダービーは4年連続12回目の出場。昨年8月から今年7月までの1年間の選考勝率は4位の7・83。勝率上位選手が出場する初日ドリーム戦にも選ばれた。「勝率で選ばれるレースだし、コンスタントに結果を残さないと出られない。1年を通して舟券に絡めているということだし、そこは自信にしています。その中でドリームに入れたのもうれしい」と胸を張る。

 この安定した走りの根底には悲喜こもごもの経験の積み重ねがある。「若い時は熱くなることもあったし、先のことを考えたり、起きたことに対してムキになるということもあった。エンジンが出ていない時にSで無理してFを切ったり…。でも、そういう経験をひと通りして、先のことや起きたことは気にせず、目の前のことだけに集中していく」。ファンに信頼されるトップレーサーとして走り続けるためにも〝冷静〟さの必要性を痛感し、実行している。

 舞台が今年2Vと好相性のとこなめということも強みだ。「いいエンジンが引けていない中で唯一、前検から手応えがあったのが、とこなめのGⅠ。ここを取れたのは自信になった。今年は地元以上に走っているし、エンジンの目安もついている。出足がくるので好きですよ。いい巡り合わせでダービーに臨めそうです」と自信も深めている。

 安定した走りに冷静なメンタル、好相性水面…。2010年の平和島クラシック以来のSGVへ機は熟した。