落語家の三遊亭円楽(本名・會泰通)さんが30日、死去した。72歳だった。

 所属事務所は「8月下旬の入院以降、肺炎は軽快し、肺がんの治療を再開した矢先のことでした。遺族、関係者一同大変急なことで、今はまだ悲しみに向き合うこともできず、対応におわれております」と声明。

 円楽さんと言えば、人気番組「笑点」での桂歌丸さんとの〝バトル〟が名物だった。円楽さんが歌丸さんの頭髪やヨボヨボぶりを「毛がない」「もうすぐお迎えがくる」などとネタにすれば、歌丸さんは腹黒さを指摘してお返し。その対決構造が長寿番組を盛り上げたが、もちろん、普段は仲が悪いわけではなかった。

「仲が良くなけりゃケンカなんてできませんよ」 かつてこうキッパリと話していたのは生前の歌丸さん。「番組であのような関係性ができたのは、いつからだったでしょうかねえ。いつの間にかですよね。普段はあんな口は利きませんが、悪役というか憎まれ役というか、落語にもよく出てくるんですけど、ちょっと間抜けな悪役。あれを演じてくれているんでしょう」と話していた。

 落語会というのは2人で行う〝2人会〟形式が多いのだが、全盛期の2人がコンビを組むことはしょっちゅう。関係者によると「満員にならないことがないドル箱コンビ」だった。

「組む相手としたら、一番多いんじゃないでしょうか。もちろん、そのときは『笑点』のような具合じゃなくて、きちんと落語をやってますから、舞台のソデで互いの話を聞いてね。終わった後、あすこはこうした方がいいとか、こんなのを入れたら?なんて話をよくしますよ」(歌丸さん)

 犬猿どころか蜜月。2018年に歌丸さんが亡くなった後、「笑点」で行われた追悼大喜利で円楽さんが「ジジイ! 早すぎるんだよ!」と叫んだのも、肺がんの手術後に空を見上げて「ジジイ、まだ呼ぶんじゃねーぞ!」呼びかけたのも、8月に復帰を果たしたときに高座で名前を出したのも、信頼関係があったこそだろう。