【直撃!エモPeople】甘~い言葉であまたの女性を赤面させてきた、お笑いコンビ「スピードワゴン」の小沢一敬が、恋愛だけでなく仕事や人間関係など、悩み多き女性の相談に、独自の世界観で語りかけた著書「小沢一敬の悩むってなんだ!?」が話題を集めている。女性だけでなく男性の心にもジワジワ浸透する小沢ワールドの言葉の原点とは――。
本や漫画を読むことが大好きだった小沢少年が特にハマっていたのが寺山修司だった。「子供のころ、寺山先生のいろいろな作品を夢中になって読みまくっていたんだけど、その中で『言葉を友人に持ちたい』という文章が今でもずっと頭にあって。言葉のことを考えているだけで、世の中の何かにつながるから、言葉ってすごいよ」と語るように、この出会いが、数々の名言を生み出すきっかけとなった。
それでも言葉を多く知るだけでは、身につけられないものに気づく。「本を読めば知識が得られるけど、そこから何を話すかが知性で、何を話さないかが品性なんだと思う。品性は人と関わって、時には怒られたり恥をかくことで、言っていいことと悪いことの分別がついて身につけられる。知性と品性を兼ね備えた人のことを教養があるっていうんじゃないのかな」と、失敗を恐れずに経験することも重要だと語る。
そんな彼には今回の著書のように悩み多き女性の相談が絶えないが、あえて明確な答えは示さない。
「悩みの答えは他人には絶対出すことはできないと思っている。だから僕に相談したとして、しょうがないなあ、自分で考えるしかないなあ、と思えるようになってほしいんだよね」
一見、突き放すようで冷たくも感じるが「若いころ、偉い人や作家さんにネタを見せた時『こういうふうにした方がいい』とか教えてくれるんだけど、その通りやってうまくいかなかった時に責任なんか取ってくれない。だから人に教わったことは参考にはできるけど、答えではないといつも思っている」と苦い経験を踏まえて真意を明かす。
自分の短所やコンプレックスで悩む相談者も多いが「僕が好きだった漫画や映画の主人公って、みんな短所があった。人は長所で尊敬されて、短所で愛されるって言葉があるけど、コンプレックスはあっていいんだって本や漫画から教えてもらったね」とポジティブに捉えるべきと語る小沢。時には他人に巻き込まれることで、新しい発想が生まれることもあるそうだ。
「自分一人で思いつくことなんてたかが知れているけど、人のアイデアに乗っかったら可能性も広がる。実際に(井戸田)潤が誘ってくれたから、東京に出てこれたし、M―1の決勝にも行けた。潤がいなかったら、こうして東スポの取材も受けていないしね。感謝しかないよ」
話を聞けば聞くほど、全ての経験をポジティブに変換しているように感じるものの、「ポジティブというよりはネーティブかな。原生というか、そのまんまだね」。
小沢といえば涙もろいことでも有名だが「神様がつくった一番いいシステムは泣くことだと思う。涙を流すことで心も体もデトックスされるし、泣いたら自然と疲れて眠たくなる。きっと神様は眠らせるために泣かせるんだと思う」と女性に限らず男性も我慢せず大いに泣くべきだと推奨する。この“ネーティブ”思考が独特の小沢ワールドにつながっているのだろう。
その彼が相談者の悩みの中で特に共感したのが、新たな出会いや感動が減っていること。「僕も昔は見たことないものに出会えるんじゃないかと思って、毎日レコード屋に行っていた。それがいつの間にかだんだん減って、気が付けば昔の音楽を聴いていることが多くなって…。昔感じたような興奮を与えてくれるバンドは、今だっていっぱいいるはずなのにね」
解決策として実践しているのが、年齢が離れた後輩とご飯に行くことだ。「知り合いの後輩だけでなく、その後輩に『俺が会ったことのない後輩を連れてきてよ』って言うの。年を重ねると若いやつに教えたがるけど、教えてもらう方がいいよ」と後輩と接することで大きな刺激になるという。さらに「好きなものより嫌いなものが合うやつと一緒にいたいな。好きなものが違うと、新たな発見ができるから。俺が若いころに聴いたブルーハーツと同じようなバンドやスラムダンクのような漫画がきっと今もあるんだろうなと思うと毎日楽しいよ」。
あなたも小沢ワールドに一歩踏み出せば、新たな出会いがあるかも。
☆おざわ・かずひろ 1973年10月10日生まれ。愛知県知多市出身。NSC名古屋校の同期だった井戸田潤とお笑いコンビ「スピードワゴン」を結成し、ネタ作りを担当。コンビとしての活動の他に俳優や執筆業など幅広く活躍の場を広げる。新刊「小沢一敬の悩むってなんだ!?」(角川春樹事務所)では、独自の世界観から生み出されたポジティブな発想がちりばめられている。












