どうも! 有村昆です。北京冬季五輪が盛り上がっていますね。スキージャンプ男子ノーマルヒルで見事金メダルに輝いた小林陵侑選手、おめでとうございます! というわけで、今回は冬季五輪にまつわる映画をご紹介したいと思います。昨年6月に公開された田中圭さん主演の「ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~」です。この作品は、1998年長野五輪スキージャンプ・ラージヒル団体で日の丸飛行隊を支えたテストジャンパーの物語なんです。実話を基に描かれていて、田中さん演じる主人公の西方仁也さんは、94年リレハンメル五輪の時の日の丸飛行隊の一人でした。

 リレハンメルでは原田雅彦さんが失速し、ジャンプ団体は銀メダルに終わります。そこでチームは長野での雪辱を誓いますが、西方さんはケガの影響で代表から外れてしまいます。そこでテストジャンパーとして長野に参加することになりました。

 テストジャンパーというのは、選手が安全に飛べるように、競技前に繰り返し飛ぶ裏方のこと。本人の心情は複雑ですよね。プライドもありますし、みじめなんですよ。でも、日本の力になりたいわけです。

 そして本番当日、日本は試練を迎えます。金メダルに届かない位置の時、吹雪のため競技が中断するんですよ。もし再開して原田が大ジャンプに成功すれば金メダルというギリギリの状況。そこで審判団はテストジャンパー25人がちゃんと飛べれば、競技を再開するという決断を下します。

 1人目が飛び、2人目が飛び…。こういう時、テストジャンパーを見ていた観客からは「何やってんだ」「寒いんだよ」「早く再開しろよ」という心ないヤジも飛びます。そんな中、西方さんがラストの25人目を務めます。もし飛べば日本に望みをつなぐことができる…そのあたりの模様は本編をご覧ください!

 いや~感動です。今まで日の当たる選手が主役の作品は多いですが、このように裏方にスポットライトを当てた作品は珍しい。結果を見れば、金メダルを取るんですが、実は原田さんは競技前にインナーシャツを西方さんに借りているんですね。一緒に飛ぶぞ、と。なので、みんなで取った金メダルなんですよ。北京五輪でも代表選手がフィーチャーされがちですが、その裏にはコーチやスタッフ、親族、そして代表から漏れた選手がいます。今回の映画で、その方々の存在に思いをはせてみてはいかがでしょうか。

 ☆ありむら・こん 1976年7月2日生まれ。マレーシア出身。玉川大学文学部芸術学科卒業。ローカル局のラジオDJからキャリアをスタートさせ、その後映画コメンテーターとしてテレビ番組やイベントに引っ張りだこに。最新作からB級映画まで年間500本の作品を鑑賞。ユーチューブチャンネル「有村昆のシネマラボ」で紹介している。