AKB48の川栄李奈(20)の卒業公演が4日、東京・秋葉原のAKB48劇場で行われ、メンバーとして約5年間のアイドル活動を終えた。女優に転身する川栄は、卒業後の初仕事に主演舞台「AZUMI 幕末編」(9月11日~、東京・新国立劇場)を選んだ。ファンをはじめ関係者からも「刺客」という役柄を演じることに心配する声も聞かれるが、川栄は“あの事件”を払拭するため難役に立ち向かう覚悟だ。

 卒業公演で川栄は「本当に今までありがとうございました。私のことを忘れないで、すごく応援してくれてありがたいです。みなさんがいて頑張れるし、これからも前を向いて、頑張ろうと思います」と決意表明。今後はグループの運営会社から「エイベックス・ヴァンガード」に所属事務所を移籍し、夢に掲げた女優業にまい進する。

 2010年7月24日にAKB48第11期研究生オーディションに合格し、26thシングル「真夏のSounds good!」(12年5月)で初の選抜メンバー入り。次世代を担う若手メンバーとして期待された川栄を襲ったのが、昨年5月に起きた握手会襲撃事件だ。

 男に切りつけられ、右手親指を裂傷して骨折。心の傷を抱えながらも夢に向かって歩きだした川栄の姿に、女優を選んだ並々ならぬ覚悟がある。

「川栄といえば、男に切りつけられた襲撃事件の被害者。卒業セレモニーなどでは一切、語りませんでしたが、卒業を決断するきっかけに事件も関係している。しかし、そんな川栄が人を斬りまくる刺客のあずみ役に挑戦する。周囲は『大丈夫か?』と精神面を心配したが、女優を目指す彼女は『どんな役でも頑張りたい!』との思いを持っている。事件を払拭する意味でも、刺客役となった。刺客役を選んだのは女優としての覚悟の表れです」(AKB関係者)

 川栄は事件からわずか2週間後、昨年6月7日の「選抜総選挙」で16位に選ばれた際、ステージにサプライズで登場。負傷した右手に包帯が巻かれた姿で「私は絶対に負けません!」と宣言。その後、昨年10月には東京・秋葉原の劇場公演にも復帰を果たした。

「事件で心にも傷を負ったのは、負傷した川栄、入山(杏奈)だけではない。事件を目撃したメンバーや、あとで知ったメンバーも深い傷を負って『(グループを)辞めたい…』と漏らす者までいた。しかし、川栄はごく一部のメンバーには苦悩を明かしていたが、表向きはこれまでと変わらぬ姿で、日々の仕事をこなしていた。自分がいることで、周囲に気を使わせていることを誰より気にして、気丈に振る舞っていたと思う」(同)

 メンバー&スタッフが驚くほど“事件に負けない気持ち”を持っていただけに、前出の関係者は「最も大切な卒業後の初仕事にあえて“人を斬る”役を選んだことは川栄らしい」と話した。

 女優への厳しい道を歩きだすことを不安視する声もあるが、川栄ならば乗り越えられるだろう。