歌手ASKA(56)の元愛人で、覚醒剤取締法違反(使用)の罪に問われた栩内(とちない)香澄美被告(38)の控訴審判決公判が16日、東京高裁(井上弘通裁判長)であり、弁護側の控訴は棄却された。

 裁判長が主文を読み上げた瞬間、背筋を伸ばして証言台の前に座っていた栩内被告はガックリとうなだれ、落胆の色を隠せなかった。

 判決によると、同被告は昨年5月、東京都内などで覚醒剤を使用。同じ日に逮捕されたASKAは昨年9月、覚醒剤取締法違反などの罪により東京地裁で懲役3年、執行猶予4年の判決を受け、確定した。

 判決理由は「尿や毛髪の鑑定は合理的に行われた。弁護側が新証拠として提出した宮崎重明(ASKA)のメールも、なぜ被告から薬物反応が出たのかを具体的に説明していない」。

 栩内被告は捜査段階から一貫して無罪を主張。控訴審でも、一審に続き「陽性となった尿鑑定などが正しいとしても、自分から覚醒剤を使ったことはない」と訴えた。弁護側は、弁護人とASKAとの間でやりとりしたメールを新たな証拠として提出。同メールでASKAは、覚醒剤の陽性反応について「原因は自分以外に考えられない」と伝えた。

 一方、メールには「なぜ栩内に陽性反応が出たのかわからない」「栩内の知らない間に覚醒剤を使用させたことはない。そんなひきょうなことはしない」などの記載もあり、必ずしも弁護側の主張を補完する内容ではなかった。

 結局、裁判長は「被告の故意を否定するような事情はなく、一審判決に不合理な点はない」と弁護側の主張を却下。懲役2年(執行猶予3年)の一審判決を支持し、「禁止薬物と認識して自己で摂取したと考えるのが合理的」と認定された。

 一審、二審ともピンヒール、スカートのいでたちで通して潔白を訴えた栩内被告。当たり前だが法廷では“女”全開アピールは通じなかった。