自民党は26日、来月招集の臨時国会で、凶弾に倒れて死亡した安倍晋三元首相の追悼演説(8月3日)を甘利明前幹事長で調整していることがわかった。

 与党側はこの日、臨時国会を8月3~5日間とする方針を野党側に伝えた。これに野党側は9月27日に日本武道館で行われる安倍氏の国葬開催なども含め「十分な審議時間が絶対に必要だ」として会期の延長を強く求めている。

 安倍氏の追悼演説をめぐっては、野党議員ではなく安倍政権を支えた甘利氏で調整している。これまで自民党の首相経験者の追悼演説は、野党議員が行うことが慣例で覆した格好だ。

 2000年に執り行われた小渕恵三氏への追悼演説は、社民党の村山富市元首相。1980年の大平正芳氏の場合も飛鳥田一雄・社会党委員長がそれぞれ行っている。

 ある立憲民主党議員は「自民党は甘利氏を追悼演説にしたのは『家族の意向』の一点張りの説明に終始したそうです。お手盛りすぎで国民の理解が得られないだろう」と猛反発した。

 立民の西村智奈美幹事長は、永田町の党本部で自民党が追悼演説を甘利氏で準備を進めていることに「追悼演説の慣例からも極めて逸脱しています。〝政治とカネ〟をめぐる問題の甘利氏ならば、何重もの意味で故人の弔い方としてはよくないことだと思います」と厳しく批判した。

 自民党は甘利氏を人選したことが与野党の新たな火種になっている。