【川崎競輪・GⅠ全日本選抜】父・盛夫さんも涙 地元・郡司浩平が番手まくりでGⅠ2勝目!

2021年02月23日 19時10分

父・盛夫さん(右)から祝福される郡司浩平

 神奈川県の川崎競輪場で開催された「第36回全日本選抜競輪」(GⅠ)は23日、最終日を行った。決勝はホームバンクの郡司浩平(30=神奈川)が深谷知広(31=静岡)渾身の逃げに乗り、番手まくりで2つ目のGⅠタイトルと優勝賞金3000万円を手にした。郡司は昨年11月競輪祭に続くGⅠ連覇。2着には和田健太郎(39=千葉)が入り、地元勢が意地を見せつけた。

 かつて、多くのファンが詰めかけ、歓声、涙、怒号、苦悶…とあらゆる感情がうごめいた場所、川崎競輪場。55年ぶりのGⅠ開催は新型コロナウイルスの影響で、無念を極める無観客開催となった。しかし、郡司は「ファンがいるつもりで、声援があるつもりで走りました」とかみしめた。川崎を走った時、記念を優勝した過去、その記憶は体にしみ込んでいる。いないはずのファンからの声が、体の中から湧き起こっていた。

 深谷の南関への移籍が、すべての流れを生んだ。初日、2日目と前で戦ってもらい「すごく頼もしい」背中を信じた。決勝は「取れたら前が良かったけど、まあ後ろからでも…と話していて」と、後ろ攻めから深谷が赤板をめがけて踏み込んだ。ライン全員が出切って、4番手に単騎の守沢太志が続く。郡司が勝つしかない流れになった。

「清水(裕友)君が来ると思って、影を見ていて、気がついたら平原(康多)さんがヨコに。慌てて踏みました」。最終4角では郡司の動きもあり、平原が車体故障。審議になり「半信半疑で、優勝の確信はできなかった」と、待った判定はセーフ。

 父で師匠、また川崎競輪場で開催指導員を務める盛夫さん(50期・引退)は「地元の川崎でね…」。最初は「レースはね、指導員として冷静に見ていたから」と平静を保っていたが、みるみる涙があふれ出た。「競輪祭を勝った時は、場外のガイダンスをやっていて、ファンの方が泣いてくれて、それでもらい泣きしちゃって」

 今回はファンと喜びをともにすることはできなかったが、つながっている思いは一つだ。12月30日、グランプリの舞台は静岡。ラインの仲間、ファンとともに歩むドラマが進んでいく。

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