フリーアナウンサーの宮根誠司が3日、司会を務める「情報ライブミヤネ屋」(日本テレビ)に出演。北海道・知床半島沖で遭難事故を起こした観光船「KAZU I(カズワン)」の運航会社の桂田精一社長に怒りを滲ませた。

 番組では、独自入手した桂田社長の会見前日の音声を紹介。音声は桂田社長と知人との通話記録という。 

 通話記録によると、桂田社長は「普通はあの辺で座礁しない。基本的に行きにクマとか断崖絶壁を見るんですけど。帰りは速度を出すために大きく深いほうを回って来るんですよ。なので水が漏れるような座礁をしないんですよ。心配されるのは、こっち(深いほう)はクジラがいるので、クジラに当たったり底から突き上げられると穴が開いちゃう可能性も無きにしもあらず」と事故原因にクジラと衝突した可能性を示唆していた。

 また安全管理について「JCI(日本小型船舶検査機構)の厳しい検査を受けて(いる)。今いろいろとマスコミで流れてるのって大方ウソで結構、捏造されてるんですよ。あした弁護士から止められてたけど、(会見を)しますけど、事実関係がはっきり、事故の原因が分かってないから言ってもしょうがないんで謝るだけになりますけど。とりあえず謝罪のほうはもちろんするんですけど」と他人事のような発言をしていたという。

 保険については1人1億円、災害救助で2000万円、最大66億円(66人乗りのため)とし「(乗客は)24名だから1人最高1億円とか出してもまだ余るような形なので。そちらのほうは問題ないかと思うんですけど」と話していた。

 これを受けて宮根は「いや、人の命を問題ないとか言ってること自体がちょっと信じられないですけど。乗客のご家族に対しては『事故は回避できた』と言いながら、会見の前日にこういうことを電話で言ってるんですね。じゃあ、説明会とか会見で土下座したのは何だったのか」と怒りを滲ませた。

 コメンテーターの梅沢富美男も「よくそんなことが言えたと思って。(電話の)相手が誰だか知りませんけど。お金が余るんですか。よくそんなことが言えるもんだ、本当に」とやるせない様子で話した。