女子テニスの彭帥(35=中国)が、75歳の元中国高官に性的関係を強要された後に不倫関係になったことを告発後、消息不明になっている問題で、女子テニスツアーを統括するWTAが深い懸念を表明。公正な徹底調査を求める異例の声明を発表した。

 WTAのスティーブ・サイモン最高経営責任者(CEO)兼会長は14日(日本時間15日)、公式ホームページ上で声明を発表。「彭帥に関する事件は非常に憂慮すべきもの。中国の元指導者の性的暴行を伴う行為についての彼女の告発は、非常に深刻に扱われなければならない。どんな社会でも、彼女が主張するような行為は、容認されたり無視されるのではなく、調査される必要がある。名乗り出た彭帥選手の勇気と力強さを称賛する。この問題が適切に処理されることを期待している。疑惑は完全に、公正に、透明に、検閲なしに調査されなければならない」と主張した。

 彭は、共産党最高指導部メンバーだった張高麗元副首相に、妻もいる自宅に招かれた際に性的関係を強要され、不倫関係になったとウェイボー上で告発。即削除されたが、インターネット上で拡散し、世界中で「#MeToo」運動として議論を呼んだ。また、彭がその後、姿を消してしまったため、ツイッター上ではテニス選手らから「#WhereIsPengShuai(彭帥は今どこに)」と身を案じる投稿が相次いでいる。

 だんまりを決め込んでいる中国政府もWTAの動きは無視できないはずだ。