自民党総裁選で、河野太郎行革相(58)は決選投票こそ進んだものの、岸田文雄氏(64)に大敗した。序盤は本命視されたものの、終盤にかけて失速。陣営では、小泉進次郎環境相(40)と石破茂元幹事長(64)が「〝戦犯〟だ!」との声も上がっている。

 敗れた河野氏は「私の力不足をおわび申し上げるとともに、ここまで支えてくださったことに、改めて感謝申し上げたい」とサバサバとした表情で、話した。

 1回目の投票では地方票で169票を獲得し、110票の岸田氏に差をつけたが、議員票では逆に岸田氏の146票に対し、河野氏は86票しか得られなかった。決選投票ではさらに議員票で差をつけられ、岸田氏の249票に対し、河野氏は131票に終わった。

 陣営関係者は「当初は石破氏と進次郎氏が支援を表明し、〝小石河連合〟ともいわれ、国民的人気をバックに一気に1度目の投票で過半数を得る計算でした。ところが総裁選を進めていく中で、とにかく石破氏と進次郎氏への党内での風当たりが強い。『なんであの2人が前に出てくるのか?』『河野さんが1人で前面に出た方がいい』となったが、石破氏と進次郎氏はやたらと前に出て、止めようがなかった。結果としては河野さんがかわいそうだった」と振り返る。

 総裁選最中にはこんなシミュレーションも飛び交った。

「河野氏が首相になれば、進次郎氏や石破氏が官房長官や幹事長に起用される可能性があった。衆院選では話題になるかもしれないが、実務的にはとても無理な話で党もまとまらない。当初、河野氏支持派の議員も次々と離れていった」(自民党関係者)

 進次郎氏は総裁選後、「完敗に近い。負けは負けだ。ルールの中でやって負けた」と素直に認めた。石破氏は「国会議員票が思うように伸びなかった。なんでこんな落差が生ずるのか。党全体として考えなければいけない」と述べたが、それぞれの支援がマイナスに働いた側面には気づいていないのか?