お家騒動から6年…完全子会社化で大塚家具消滅ピンチ ヤマダHD〝もうひとつの狙い〟

2021年06月10日 11時30分

大塚久美子氏

 家電量販店最大手のヤマダホールディングス(HD)は9日、大塚家具を完全子会社化し、8月30日に上場廃止を予定していると発表した。50年以上の歴史とブランドを持つ大塚家具だが、消滅危機となりかねない状況だ。

 ヤマダHDは保有している大塚家具の株式51・83%を株式交換の方式で、完全子会社化する。大塚家具は大塚勝久氏(78)が1969年に創業。業績拡大していた中、“かぐや姫”といわれた娘の久美子氏(53)とのお家騒動が勃発し、世間を騒がせた。

 勝久氏は追い出されたが、同社の業績不振は続き、19年にヤマダHDの傘下に入った。支援を受けたものの業績は回復できず、久美子氏は昨年末、社長を辞任。経営責任を問われての、事実上の“クビ”だった。

 ヤマダHDは大塚家具の完全子会社化の目的を「迅速かつ抜本的な事業構造改革に着手・実行していく必要性がある」とし、経営関与を強めたい考えだ。

 経済評論家は「ヤマダHDの支援を受けても大塚家具は5期連続の赤字が続いていて、厳しい状況にある。ヤマダHDは家電事業だけでなく、住建事業に進出しており、大塚家具を傘下に収めたのもその一環だが、ある種、法人需要で成り立っていた大塚家具の商法は時代遅れで、もはや価値はないともいえる。唯一、大塚家具の“箱”に魅力があったのではないか」と指摘する。

 大塚家具は東京・有明のショールームをはじめ、新宿、銀座など好立地に店舗を構えている。既にヤマダ電機とのコラボレーション店舗も存在しているが今後、大塚家具の大型店舗でも家具の販売スペースは減り、家電売り場に変わっていく事態も予想できる。

「大塚家具のブランドにこだわる必要性もなくなってきており、看板を下ろすことがあってもおかしくない。社員はヤマダ電機に移せばいいし、完全子会社化すれば何でもできる」(前出の評論家)。大塚家具は生き残ることができるのか――。

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