IOC〝ぼったくり男爵〟にぼったくられる巨額血税  五輪中止決断なら賠償金は「目もくらむ額」

2021年05月07日 05時15分

都が中止を決断すれば〝ぼったくり男爵〟ことバッハ会長が黙っていない(ロイター)

 このまま「ぼったくり男爵」に搾取されてしまうのか。新型コロナウイルス禍は収束の見通しが立たず、東京五輪の中止を求める声は日増しに強まっている。一方で、中止の際にネックになるのが「カネ」の問題だ。日本側がギブアップすれば、国際オリンピック委員会(IOC)から多額の損害賠償金を請求される可能性が高い。本紙はスポーツ法の専門家に緊急取材。その〝ぼったくり契約〟の実態に迫った。


 もはや、東京五輪中止を求める意見は世界の主流になりつつある。米有力紙ワシントン・ポスト(電子版)は5日のコラムでIOCのトーマス・バッハ会長(67)を「ぼったくり男爵」と呼び「地方行脚で食料を食い尽くす王族」「開催国を食い物にする悪癖がある」「収益のほとんどを自分たちのものにし、費用は全て開催国に押し付けている」などと痛烈に批判。日本政府は五輪を中止すべきと主張した。

 仮に日本が中止を決定した場合、待っているのは多額の損害賠償金だ。五輪関連の法的問題やスポーツ法に精通する早川吉尚弁護士(52)は「IOCと開催都市契約を交わしているのはあくまで東京都であり、日本(国)ではない。東京都が義務を履行しないと決定した場合は、損害賠償責任を果たさなければならない」と話す。

「開催都市契約書」には中止した場合の賠償金額などの記載がないことから一部では「支払わなくていい」との指摘もあるが、早川氏は「契約書に特別な条項がなくても、契約上の債務不履行があれば賠償責任は発生する。契約とはそういうもの」と断言した。

 その額は計り知れない。IOCはすでに米テレビ局NBCから五輪の複数大会分の放映権料をまとめて受け取っており、東京大会分は約1200億円にも上る。

 早川氏は「少なくとも放映権料分の損害は東京都に賠償責任が発生することになるだろう」とした上で、IOCがスポンサーに対して返金義務や損害賠償義務を負うケースにも言及。「究極的には東京都が(IOCに代わり)賠償責任を負わざるを得なくなる可能性がある。(最終的に)目もくらむほどの金額の賠償責任を負うことになる可能性が高い」と結論づけた。

 ちなみに、賠償責任を負うのはIOCと契約を結ぶ東京都だが、支払い能力がなければ国が肩代わりするしかない。いずれにせよ、結局は多額の税金が投入されることになる。

 想像もしていなかった疫病が原因なのに全責任を負わされるとは、まるで〝ぼったくりバー〟。米有力紙の指摘も、あながち間違いではなさそうだ。

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