アベノマスクブラポスターで物議を醸した「NHKから国民を守る党」の〝ゆづか姫〟こと新藤加菜氏(27)が12日、新型コロナウイルスのPCR検査で陽性が判明。N国の立花孝志党首(52)をはじめ、幹部メンバーにも濃厚接触の疑いが出てきたため、党側は対応に苦慮している。

 新藤氏は今月9日朝に倦怠感、頭痛などの症状が出て夜に発熱。10日には38度を超え、一時は話すのもつらい状況だったため、11日にPCR検査を受けた結果、陽性と診断された。現在、熱は下がり体調も回復、自宅療養している。

 7月の東京・北区都議補選では、アベノマスクをブラジャー代わりにしたポスターで、世間のド肝を抜いたが、日頃はアベノマスクではない一般的なマスクを口元に着用している。「日常的に手洗い、うがいは欠かさなかった」(新藤氏)と気を使っていた一方、過剰なコロナ自粛には反対の立場から、宴席は自重していなかった。

 新藤氏によれば、感染経路は不明だが、接触のあった知人のコロナ感染が9日に判明し、自身も症状が出ていたので、感染を確信したという。

 お盆休みの最中に飛び込んだ〝ゆづか姫感染〟の一報で、対応に追われているのは党側だ。

 新藤氏は7月の千葉・印西市長選に落選後、党の記者会見時に司会進行を務める〝広報官〟に就任しており、東京・永田町の参院議員会館に党職員として勤務していた。

 最後の出勤は今月7日で、党役員会と党幹部記者会見に出席。参院議員会館の事務所応接室で立花氏、浜田聡参院議員、上杉隆幹事長らと会食を交えて役員会を行った。また会見では立花氏、浜田氏と同席し、夜にはN国の地方議員らとの宴席があった。

 国立感染症研究所は、発症日の2日前から感染予防なしで1メートル以内かつ15分以上の接触があった者を濃厚接触者と定義している。

 濃厚接触者か否かは保健所が最終的に判断するものの、新藤氏は発熱後、保健所に連絡を入れてもなしのつぶて。PCR検査も自身のツテで受けていただけに、今後の保健所の対応もアテにならないという。

 新藤氏の感染が判明した中で、立花氏は保健所に相談すると同時に、自費でのPCR検査も検討する考えを示した。

 コロナ禍の拡大で、いまやどこで感染してもおかしくない状況だ。永田町でも、国会議事堂や議員会館に出入りする議員秘書や衆院・参院事務局の職員や医師、各省庁の職員、報道関係者から感染者が続出しているが、国会議員の感染者はいまだゼロ。

 これまでのところ、新藤氏と接触した党関係者の間で、体調不良を訴える者はいないというが、周辺は固唾をのんで、事態の推移を見守っている。