三浦春馬さん ネット陰謀論は低調 “ロンメル死”ってなんだ!?

2020年07月20日 06時15分

ありし日の三浦春馬さん

 俳優の三浦春馬さん(享年30)の突然の死は日本全国に衝撃を与えた。悲しみの声がほとんどだが、一方で有名人の死や事件が起きるとネットでは陰謀論が渦巻くのがいつものこと。今回もCIA陰謀説などがささやかれたものの、数は多くなかった。識者は「多くの人がネット上の陰謀論がアクセス稼ぎでしかないことに気づいています」と指摘。ネットリテラシーに変化が起きている。

 ツイッター上では陰謀論をつぶやく人よりも「陰謀論を語る方はネタであろうと許せない」「陰謀論唱えている奴消えればいい」といさめるツイートの方が多い。もちろん陰謀論がゼロではない。有名人に何かあると必ず「安倍政権の陰謀だ」「CIAに殺された」などという話が出てくるが、今回もそれは同じ。しかし、陰謀論を否定する人たちの方が圧倒的多数なのだ。

 ITジャーナリストの井上トシユキ氏は「ネットの陰謀論というのは大喜利のようなもので、誰が一番リツイートされるかという競い方になっています。それが多くの人に分かってきたのではないでしょうか。CIAやモサド(イスラエルの諜報機関)がよく陰謀論に使われますが、彼らだってそんなにヒマじゃないはずです。世の中も陰謀論はやめようと学んでいるのでしょう」と解説した。

 見向きもされなくなることを恐れるネットの陰謀論者たちは、新たな言葉を生み出して注目を引こうとする。昨今、よく使われるのが〝ロンメル死〟だ。三浦さんのケースでも新型コロナウイルスで亡くなった志村けんさんのケースでもロンメル死だという声がある。

 ロンメルとはドイツの軍人でヒトラー暗殺未遂事件に関与が疑われ、裁判による死刑か名誉の自殺かという選択で後者を選んだとされている。陰謀論者は三浦さんも志村さんもそうだと言うのだ。「歴史的な出来事を例に出して、何かの犠牲になったとか美談にするのは感動ポルノの一種です」と井上氏は喝破する。

 また、ユーチューブ上で「〇〇の弟です」「〇〇の息子です」と事実でないことを話す動画が増えている。岡江久美子さんがコロナで亡くなった時に話題になったので覚えている人もいるだろう。三浦さんの兄を名乗る動画もすでにあり、その中で陰謀論が語られている。

「このパターンは桑名正博さんの息子が名乗り出た騒動から始まっています。この騒動では結局、息子ではなかったということが分かっていますが、険悪にならず円満に終わった。それで面白がってマネする人が出たのです。チャンネル登録者を増やそうという動機はツイッターの陰謀論者と似たようなもの。固定客をつくるためにやっているのです」(井上氏)

 いずれネットの陰謀論も家族をかたる動画も淘汰されていくはずだ。「世の中がアクセス稼ぎのカラクリに気づいているので陰謀論は減っていくでしょう。また、三浦さんについては評判がよく、陰謀論が入り込むスキがなかったこともありますね」(同)

 突然の死が物議を醸すことは致し方ないにしても、悪ノリはやめよう。