戸川昌子さん 長男と波乱に満ちた親子関係

2016年05月06日 16時00分

赤いバラで埋め尽くされた戸川昌子さんの祭壇(顔写真はNERO)

 先月26日に胃がんのため死去した推理作家でシャンソン歌手の戸川昌子さん(享年85)の告別式が5日、東京・大田区の臨海斎場で営まれ音楽関係者、友人ら約300人が参列した。

 喪主を務めた長男でシャンソン歌手のNERO(38)は「母と二人三脚の人生の中で、たくさんの方と巡り合えた。『青い部屋』(戸川さんがオーナーのシャンソン酒場、2010年に閉店)を通してたくさんの文化を生み出してきた母の魂は皆さん一人ひとりの中で花開かせていくと思う」と気丈にあいさつした。

 46歳で出産した戸川さんはひとり息子を溺愛したが、覚醒剤取締法違反容疑(使用)で逮捕されるなど世間を騒がす息子には手を焼いていたようで、たびたび衝突し“絶縁状態”に陥っていたこともあるという。

 戸川さんを知る人は「息子は去年結婚しましたが、いまだケンカになって高齢の母親に手を上げたり、相変わらずエキセントリックな親子関係でした。それでも、何だかんだで離れられず、入院するまで息子と都内の同じ団地の階違いに住んでいました」という。

 戸川さんが緩和ケア治療を受けていた静岡・浜松市の病院の枕元には孫娘の写真が飾ってあったという。NEROに子供が生まれてようやく親としてひと安心できた様子だったそうで、亡くなる前には孫を抱くこともできた。

 5年前に末期がん宣告を受けてからも精力的に活動を続け、今年1月に入院する前日も息子とシャンソンライブで同じステージに立っていた。通夜で「母が残してくれた歌を歌い続けていきたい」と語り、立派に喪主を務め上げたNERO。その姿に天国の戸川さんもホッと胸をなで下ろしているに違いない。