1日放送のテレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」で、シリアの過激派組織から解放されたジャーナリスト・安田純平さん(44)をめぐり、元大阪市長の橋下徹氏(49)とテレビ朝日解説委員の玉川徹氏による激論がかわされた。

 両者が熱く意見を戦わせる中、冷静だったのがコメンテーターの高木美保(56)。

 玉川氏の「安田さんは英雄」発言などが波紋を呼んだことについて「フライングだったと思います。ジャーナリズムの端にいてニュースを語る立場としてね、あまりにもフライングで物事を判断してそれを発言してしまうと、世の中にかえってバッシングを生み出しちゃう。私もなんで今日、これ(玉川氏の発言をめぐる論争)をやっているのか実はまだ腑に落ちないんですね。安田さんが何も発言していないのに」との見方を示した。

 安田さんは帰国後、検査のため入院。妻が会見したものの、まだコメントを発していない。当事者が不在の状況で、あれこれと強弁で争うのは時期尚早というわけだ。

「バッシングではなくて批判がちゃんとできる社会をつくってほしいんです、メディアに対して。私はそれが何よりの希望なんです。だからここに座ってるんです。そのためにはフライングで感情を表現してしまうのは失敗で、安田さんという人の発言を聞いてから正しく批判する。橋下さんがおっしゃっているんですけど。その姿勢をメディアが見せないと、何を言っても失敗になってしまう」と玉川氏をいさめるように話した。

「プロのメディアの人がフライングをしてしまうと火に油を注ぐことになるんですよ。素人とプロは違う姿勢で取り組まないと、それは私が期待しているジャーナリズムではない。ちょっとフライングだったなっていう印象」 

 こう続けた高木に、玉川氏は「結果的に言うと、ボクのこの話が言葉足らずだったこともあって、逆に安田さんを苦しめてるのかなっていうふうに考えている。『フライングだったんじゃないか』っていうのは真摯に受け止めたい」と納得した様子で語った。