今年3月に「日本競輪選手養成所」を卒業した119、120回生(ガールズ)が全国各地で7月の本デビューを目指し準備を進めている。熊本ガールズから今期ただ1人デビューするのは〝骨太女子〟中村鈴花(りんか、19=熊本)だ。
競輪選手を目指したのは小学校3年生のとき。ふとしたきっかけで自転車と接し、その魅力に引き込まれたという。
「おじが出場した『スペシャルオリンピックス』という大会の手伝いに行ったんです。その時に自転車と触れ合う機会があって、スタッフの方にいろいろ教えてもらい自転車に興味を持ちました」
そのころは折しも「ガールズケイリン」の草創期。かつての「女子競輪」復活が発表されたころでいくつかのエキシビションレースを行い2012年から正式に「ガールズケイリン」が始まった。
〝職業・競輪選手〟に中村は興味をひかれるばかりで、目指す道へとまっしぐら。迷うことなく自転車部のある千原台高へ進学した。高校時代は主にロードメインの中長距離種目で活躍。短距離は苦手だったというが「3年生の時にインターハイが終わって、すぐ試験の準備をしたらタイムもでた。師匠(松尾正人・66期)から大丈夫と言われた」ことで自信を深め、日本競輪選手養成所の試験は一発で合格した。
大学へ進学し選手を目指す手立てもあったが「小さいころから競輪しか考えていなかった。だから、迷いはなかったです」とキッパリ。心根がゆらぐことはなかった。大きな挫折もなく順風満帆に見えるが、実際は本意ではないようだ。
「高校の時、優勝をしたことがないんです。いつも(内野)艶和に負けていて。ずっと2位でした。ほとんど負けている」
九州大会に出場すると、千原台高と同じく自転車競技の名門である祐誠高とかち合う。そこに内野がおり、いつも決勝で対戦しては土を付けられていたという。
「いろんな話をしますし、もちろん仲はいいですよ(笑い)。これからまた1着、2着争いをすることになるけど、今度は私が勝ちます!」
ライバルが同期なのも何かの縁で、しかも九州は2人しかいない。やられた側はいつまでも悔しさを覚えている。両者の力比べはガールズ名勝負のひとつとなりそうだ。
セールスポイントは地脚を生かした追走技術。課題は「とにかくダッシュがないから必死」とのことで、バンクでは中川諒子(37=熊本)ら同県のガールズ選手たちに食い下がり練習を重ねる毎日だ。
本デビュー戦は7月、小倉FⅠシリーズ(1~3日)。〝女王〟児玉碧衣(26=福岡)が参加する予定で、中村は対戦を熱望している。
「児玉さんは憧れの方。負けない気持ちを出して力勝負がしたい。今から楽しみです」
今でこそまだ雲の上の存在だが、いずれは倒してみせる――。そんな気概を胸に秘め、ガールズ女王に真っ向勝負を挑む。












