大阪・羽曳野市の府立懐風館高校の女子生徒(18)が、生まれつき茶色の頭髪を黒く染めるよう強要され精神的苦痛を受けたとして、府に損害賠償を求める訴えを起こした問題で、指導について論争が起こっている。

 同校の校則は茶髪が厳禁となっているが、女子生徒は入学前から母親が「地毛なので配慮してほしい」と伝えていたにもかかわらず、学校側から何度も黒く染めるよう指導された。度重なる染色で生徒の頭皮はかぶれ、髪はボロボロになり、不登校になったという。

 10月末に問題が報じられると、ネット上などでは「生まれながらの髪の色を変えさせるのはおかしい」「時代錯誤で人権侵害の校則だ」などと非難が寄せられて炎上。教育評論家の“尾木ママ”こと尾木直樹氏(70)ら多くの著名人が批判したほか、英国BBCなど複数の海外メディアにも報じられた。

 指導をめぐっては、さまざまな意見も上がっている。前大阪市長で元大阪府知事の橋下徹氏(48)は自身のメールマガジンで「まだ生徒側の主張しか報道されていない。この段階で今回の件を断じるのは非常に危険」としつつ、現場の話として大阪には多くの荒れた学校が存在し、そのような場で自由を認めれば、現場はお手上げになると指摘。自由な社会を維持するためには他人の自由を侵害しないようルールを守る必要があり「教育現場ではルールを守らせる教育が重要」と主張した。

 ある教育関係者は、懐風館高校が校則に固執したことについて「指導が行き届いたイメージの学校かどうかは保護者にとって大事なこと。保護者には良く思われたいし、学校のイメージを損なわないようにとの心理が働いたのでは」と話す。

 学校生活において髪形や色が不利益になることはないとは言うが「『自己責任』とは権利のある人の責任逃れの弁にすぎないので、社会に出て不利益になることは、学校だけでなく保護者も未成年者に教える必要がある。ただ、教師の仕事って何?というような校則もあるし、どこまで校則で縛るのかは考える必要がある」と話した。