セ・リーグ王者の阪神は16日のCSファイナルステージ第3戦・DeNA戦(甲子園)に0―4で敗れ、まさかの3連敗。主砲・佐藤輝明内野手(27)と森下翔太外野手(26)を負傷で欠いた打線は全く機能せず、アドバンテージを含め1勝3敗と崖っぷちの状況に追い込まれた。東京スポーツ評論家の伊勢孝夫氏は「阪神の黄金時代が終焉した時の姿を想起させる試合だった」と語り〝ポスト超変革世代〟の育成が急務であると指摘した。
【伊勢孝夫「新IDアナライザー」】佐藤が不動の4番打者として打線の中心にいるからこそ、3番・森下へのマークは甘くなる。5番・大山の存在感もモノをいう。彼ら中軸3人がそろってこそ、近本と中野の1、2番コンビの出塁を恐れる相手バッテリーはストライクゾーン内での勝負を余儀なくされる。ここ数年の阪神打線の強さの本質は、金本政権以降、時間をかけて発掘、育成されてきた1~5番打者の結合そのものだ。
その中でもまさに〝飛車角〟である佐藤と森下がそろって抜けてしまった場合、藤川監督では手の打ちようがない。1番に立石、3番に近本を置いた急造オーダーが機能しなかったのも当然だ。就任2年間で次世代を担うレギュラー格の選手を育成できなかったツケが、この一戦で露呈した。
そしてこの日のオーダーは、近い将来に訪れるであろう阪神の〝未来予想図〟でもある。佐藤と森下が数年内にメジャーへ活躍の場を移す可能性も十分にある。その時、すでに大山や近本らは35歳前後。黄金時代を謳歌した球団が、その反動にのみ込まれるように暗黒の時代へ突入するパターンが多いことは、球界の歴史が証明済みだ。だからこそ、この1年で競合ドラ1の立石をもっと鍛え上げておきたかった。
彼が優れた能力と将来性の持ち主であることは、私も十分に認識している。思い切りのいいスイングも大きな魅力だ。だが、3三振を含む4タコで終わったこの日の打撃内容からも分かるように、一軍水準の配球の読みや駆け引きはまだまだ未熟なままだ。これだけはどうしてもファーム戦などで学ぶことは難しい。
本来ならば、ある程度の成績不良に目をつぶってでも1年かけて一軍で使い続けるべき素材だったと思うのだが、今季の阪神や藤川監督にはそのような余裕がなかった。それでも前川も含め、現時点で20代前半の選手たちを今のうちに育成しておかないとチームの将来は危ういだろう。
一方のDeNA・相川監督はここにきて選手起用や采配にさえを見せるようになってきた。就任1年目ということもあり、シーズン序盤は硬さやオーソドックスすぎる用兵が目立っていたが、状況に即した采配を振るうことができている。「監督っぷりが板についてきたな」というのが私の率直な感想だ。貫禄のようなものも漂ってきた。
(本紙評論家)












