ボクシングWBC世界バンタム級タイトルマッチで同級1位・那須川天心(28=帝拳)の挑戦を退けて2度目の防衛に成功した王者・井上拓真(30=大橋)の一夜明け会見が28日、横浜市内で開かれた。指導する父の真吾トレーナーは試合に至るまでに「いろいろあった」と明かし、所属ジムの大橋秀行会長(61)は将来のドラマ化を予想した。

 昨年11月に勝利してからの再戦で返り討ちを果たした拓真は、右目上に小さいばんそうこうが貼られているだけのダメージを感じさせない表情で登場。前日は7ラウンドにダウンを奪われたものの、冷静な戦いぶりを見せて3―0の判定で勝利し、「素直な気持ちとしては、プレッシャーも大きかったですし、すごい今はホッとしてます。天心選手の知名度高いですし、反響は大きいですね。しっかり返り討ちにできたのは、自分の中でもすごいいい結果でよかったです」と満足げに振り返った。

 真吾トレーナーは「計量前もいろいろあった」と明かしながら、「あった中で、ダウンからしっかりと底力を見させてもらいました。おめでとう」と祝福。しかし、何があったのかを問われると「ノーコメント」と返答を避けた。

 この日、拓真が試合の1か月半前に目の上に裂傷を負っていたことが明かされた。このことを指しているのだろうか。しかし、大橋会長は「そんなの問題外」と否定した。

 続けて「ほっとしましたよ。いずれ話すけど。まあ、(大橋ジム初の世界王者)川島勝重から始まって一番感動した試合だった」としみじみ語り、「まあ、何十年後かに出ますよ」と将来にドラマ化などで明かされることを予想した。

 拓真にもこのことについて質問が飛んだが、「それしか会長は言っていなかったですか?」と苦笑。「何年後かに分かるかもしれない。(ドラマ化?)それは分からない。何年後かに会長がぽろっと言うかもしれない」と困惑の表情を浮かべた。

 何にせよ、拓真は王座を防衛し、次戦は同級2位アンドリュー・カイン(英国)との指名試合になるという。大橋会長は「(他団体王者との)統一戦も含め、スーパーバンタムに上げた方がいいのかな、というのも一つの選択肢としてあります」と、転級する可能性も示唆。拓真は自身からWBA同級王座を奪取(後にはく奪)したWBA同級1位・堤聖也(角海老宝石)が王座返り咲きを目指していることから、「(堤に)ベルトがあるならば、統一戦としてやりたい」と、雪辱戦にも興味を示した。

 感動の勝利の陰で何があったのか、明かされる日は来るか?