ボクシングのWBC世界バンタム級タイトルマッチ(27日、トヨタアリーナ東京)で、同級1位・那須川天心(28=帝拳)は王者・井上拓真(30=大橋)に0―3の判定負け。7ラウンド(R)にダウンを奪うなど大きな進化の兆しは見せたものの、昨年11月に敗れてからの雪辱はならなかった。この試合を〝ナスガワ一族研究家〟を自称する青木真也(43)が、忖度なしにぶった切り。神童が〝勝っていた〟と直言し、今後に向けて仰天の再起プランも提示した。
序盤は距離を取りつつ右ジャブで先手を打っていく上々の滑り出しに見えたが、4R後の公開採点では2者が拓真にリードを付ける苦しい展開に。それでも接近戦で打ち合い見せ場をつくると、7Rには左ストレートでダウンを奪い、その後もロープ際で連打を放つなど王者を追い込んだ。
ただ、8R後の公開採点でも2者が拓真リード。逆転へ後がない那須川は攻勢を強めたが、拓真からも反撃を受ける一進一退の攻防が続き、最終12Rは激しく打ち合ってゴング。1者が1点、2者が5点の差で那須川のリベンジはならなかった。
那須川は「腹も効いていたし、顔も嫌がっていたし、本当にボクシングで負けた感じ。ポイントゲーム」と不満を押し殺すかのように振り返る。
「めっちゃ悔しいですよね。何が何だか分からない。これだけやっても無理かと」と悔しさをあらわに。「こんなに難しいかって思います。倒すだけがボクシングじゃないんだなっていう。ダメージだけがボクシングじゃねえんだなって。ちょっとしたポイントだったり、なんか優位に見せるとか、そこの学びが必要なのかな」と語った。
試合後、緊急取材に応じた青木は「どうなってんだよ。ダウンを取ってるんだから、ナスガワ(那須川)さんの勝ちだろ! ジャッジはどこを見てるんだよ。目はついてんのか!」と声をしゃがれさせて憤る。いったんグビリと水を飲み干すと「ボクシングで負けて格闘技で勝った…。いや、勝負に負けて戦いに勝ったっていうことなんだろう」と自分を納得させるように話した。
那須川の戦いについては「前回は競技をやって負けたから、今回はファイト、ケンカをして勝負に出ていたよね」とメガネを光らせる。そして「キック時代も含めて、初めてナスガワさんがファイトをする試合を見たよ。今までは競技できれいに戦って勝ってきたから。〝ケンカもできるんだ〟って思った。それでダウンも奪ったんだから」と分析。
その上で「それでも、それよりもさらに井上がボクシングがうまかったっていうことなんだろうけどさ。俺としては今回、ナスガワさんの新たな可能性を見たよね」と力を込めた。
しかし、2連敗という結果はあまりに残酷だ。青木も「とはいえ、まず気になるのは今後どうするか、だよなあ…」と天を仰ぐ。続けてヒザを叩くと「こうなったら、エイオキクラッチで出直すしかないんじゃないか!?」と再起に向けてまさかの提案。自ら主催する自主興行「エイオキクラッチ」第2弾の開催を画策している青木は「そこで大仁田厚か男色ディーノと戦うのがいいと思う。大仁田に復帰の仕方を教わってもいいし、ディーノに〝開発〟されてもいいじゃないか」と究極の選択を突きつける。
揚げ句の果てに「俺と天心、どっちが早く引退するか勝負しようじゃないか。復帰をかけて!」と意味不明なことを言い始めたので、そっと通話を切らせてもらった。
那須川は今後について「分からないですな。今は口にしたくない。2回負けてますし、いろいろ考えますね」と明言を避けた。神童の再起はどうなるのか。邪道との爆破戦だけは避けてほしくもあり、見たくもあり…。














