“女芸人マニア”として知られているお笑いコンビ「馬鹿よ貴方は」の新道竜巳が、これから“馬鹿売れ”しそうな女芸人を紹介するこの連載。今回は自ら「性格が悪い」と公言する、自身の病気までも武器にして笑いを取る女性ピン芸人を紹介する――。

【プロフィル】
 芸名‥みわみなみ
 養成所‥太田プロエンターテイメントカレッジ東京校23期生(2024年3月卒業)
 デビュー‥2024年4月
 生年月日‥2002年4月18日

 たまに新しい芸人を目にした時、「えっ! なんでこんなに、もう面白いの?」と驚いてしまうことがあります。

 ネタで笑いを取るのはすごく難しい。まず震えずに人前に立つまでに時間がかかるし、棒読みにならないまでにも時間がかかる。さらに人に伝わる台本を書けるまで、人を笑わせる台本を書けるまでにも時間がかかる…。そうこうしているうちに、気付いたら10年を超えている。そんなことが普通にあります。

 だから新しい芸人を見て「なんでこんなに、もう面白いの?」と驚くのは、それが簡単じゃないことを知っているから。お笑いを始めて数年でネタで笑わせるなんて、小学生の頃から内緒でネタを作ってないとムリだと本気で思います。

 そうした中、まだデビューから2年ちょっとなのにしゃべりだけで会場を沸かしているのが、みわみなみさんです。生まれつき難聴を持つ「先天性難聴6級」という持病があるが、ネタではそのことを武器にもして笑いを取ることもある。また難聴をネタにしない時も変わらず面白く、話の組み立てや構成が素晴らしい。言葉が力強く軽やかなので聞きやすく、思わず聞き入ってしまいます。

 そんなみわみなみさんに話を聞きました。

 ――お笑いを始めたきっかけは

「勉強も運動も仕事もできないのですが、お笑いはずっと好きだったし、自分のことを人より面白いと思っていたので、お笑いを始めました」

 ――補聴器はいつから付けている?

「難聴は生まれつきで、生後5か月から補聴器を付けてます」

 ――ピンネタがすごく面白いが、どうやったらそうなれますか?

「性格が悪いからだと思います。人のイヤなところを見つけて、そこを突くと、みなさん笑ってくれます。みなさんも本当は性格悪いんだと思います」

 ――ネタの作り方は

「“悪く言いたい対象”の悪口をいっぱい書き出して、それを言うための流れを作ったりします。基本的にはノートに案を書き出して、スマートフォンのメモで台本を書いてます」

 ――今後の目標は

「『マツコ&有吉 かりそめ天国』(テレビ朝日系)みたいな、いろいろなテーマでひたすら持論を語るトーク番組をやりたいです」

 ――影響されたお笑い番組、芸人を教えてください

「『アメトーーク!』(テレビ朝日系)。中学イケてない芸人などネガティブなテーマの回が好きです。芸人なら有吉弘行さん。やはり性格の悪い芸人が好きです」

 ――趣味を教えてください

「最近はYouTubeで未解決事件を追う動画を見るのにハマってます。知人にオススメされた『健康チャンネル』が面白いです」

 ――何か言いたいことがあれば

「最近占いをしたら、『来年は最悪』と言われました。東スポ様、お仕事ください!」

 自ら「性格が悪い」と認め、それを武器にする。そんなふうに自分を客観的に見ることができることもすごいし、ネタの作り方も素晴らしいと思います。この人の漫談は静かにあせらず、安心感すら感じながら見入ってしまう。僕がもし同期だったら、彼女の才能に日和って話しかけることはできなかっただろうな、と思わされます。

 現在は太田プロダクションの事務所ライブで、まだピラミッドの下の方ですが、面白さだけでは勝ち上がることができないのが事務所ライブ。気にせずどんどん面白いことをやり続けてほしいです。いずれはR―1グランプリの決勝進出も期待できる逸材だと思います。

 ☆しんどう・たつみ 1977年4月15日生まれ、千葉県出身、本名・濱島英治郎。平井“ファラオ”光と組む「馬鹿よ貴方は」として「THE MANZAI」「M―1グランプリ」で決勝進出を果たした実力派。緻密なネタ作りに定評がある一方、女芸人ナンバーワン決定戦「THE W」では、予選会場に足しげく通い、ほとんどの出場者のネタを見るほどの“女芸人マニア”。