◇宮脇遼太(29)福岡支部127期

「養成所の勝率は3・30くらいで下から2番目でした。男子ではダントツの最下位です。ギリギリ生き残ってましたね。辞めようとも思っていました」――。伸び盛りで福岡の次世代エース候補が今では考えられない嘘のような事実を語る。

 2020年に福岡でデビュー。「弟子入りしたら頑張らないといけなくなる。家が近くて良くしてもらっている」と自分自身を鼓舞するため井上恵一に弟子入りを志願した。さらに「デビューした頃は練習に行くのに誰にもお願いできなかったけど、誰かに声をかけて行くようになりました。それで森照夫さんにもお世話になって勝率が上がりだしたと思います」と積極性を身に着け、それが実力アップにつながったと分析する。

 その努力が実り2025年前期に初めてA級に昇格した。その後も着実に勝率を上げ4月30日に審査期間が終了した2026年後期適用の勝率は6・78と自己最高を更新。A1級への昇格も決めた。その要因は「ここ2年くらいで自分の好きなペラの形が定まってきたのが大きいと思います。伸び寄りのペラですね。伸びの調整が好きで、まくるのを考えています」と明かす。

 エンジンを伸び型に仕上げ、まくって攻めるレーススタイルが好きだと語る一方でイン戦でも結果を残している。直近1年の1コース1着率は70%を超えており、インでしっかりと逃げ切れているのも勝率アップの要因だろう。

「勝率的には1コースが得意かもしれないけど、自信はそこまである方ではないんですよね。インの時はピット離れでズルのが怖いので回転を上げた調整にしています。スタートで遅れることもあるけど、伸び寄りの調整なので伸び返して1等っていうのが多いですね。今は1コースのスタートを安定させたいです。遅れなければもっと勝率が上がると思います」と現状の課題も口にした。

 今年2月には鳴門でデビュー初Vを飾った。「めちゃくちゃうれしかったです。でも、なにか変わった訳ではないですね」と慢心はない。「今の目標はコンスタントに優出することです。準優に乗って優出することは毎回考えています」とスタンスは変わらず、あくまで目の前の一走一走に集中する。

 初Vというステップをクリアしたことで次の目標を立てた。「一般戦で優勝したので次はGⅡなどの特別戦で優勝したいですね」と上の舞台での活躍を夢見る。