トランプ大統領が「ザ・ボス」ことブルース・スプリングスティーンからの批判に反論したことを受け、米国音楽家連盟はトランプ氏の侮辱的な発言を非難する声明を発表した。米ニュースサイト「デッドライン」が2日、報じた。

 ブルースは31日、全米ツアー「ランド・オブ・ホープ・アンド・ドリームズ」初日のミネアポリス公演中にファンに向けて「アメリカは現在、腐敗し、無能で、人種差別的で、無謀で、反逆的な政権の手に委ねられている」と厳しい口調でトランプ政権を批判した。

 これを受けてトランプ氏は自身のソーシャルメディアプラットフォーム「トゥルース・ソーシャル」でブルースは「下手で非常に退屈な歌手。ひどい整形外科医の手術でひどく傷ついた干からびたプルーンのようだ」と酷評してコンサートのボイコットを呼びかけた。

 しかしミュージシャンの組合である全米音楽家連盟(AFM)第802支部のダン・ポイント会長と第47支部のマーク・サザー会長は、この侮辱的な発言を徹底的に非難した。

 両会長は共同声明で「我々の最も著名な組合員の1人が、アメリカ合衆国大統領によって名指しで個人的に攻撃されていることに、我々は沈黙を守ることはできない。ブルース・スプリングスティーンは、素晴らしいミュージシャンであるだけでなく、労働者の代弁者であり、アメリカの不屈の精神の象徴であり、この国だけでなく世界中の何百万人もの人々にインスピレーションを与えている人物だ」と誰もが納得する「正論」を発表した。

 声明文は「『ボーン・トゥ・ラン』(76年)から『ネブラスカ』(82年)など、彼の音楽は何十年にもわたり権力に真実を語りかけてきました。そして、まさに今、彼はそれを実践しているのです。ミュージシャンには表現の自由という権利があり、私たちはブルースをはじめ、自らの立場を利用して良心を表明するすべての組合員と完全に連帯します。第802支部と第47支部は、常にその権利を守り抜きます」と続いている。

 ブルースは、カリフォルニア州ロサンゼルスの第47支部と、出身地であるニュージャージー州アズベリーパークの第399支部の組合員でもある。

 トランプ氏は、31日にミネアポリスで行われたブルースの全米ツアー初日のコンサートでの発言に激怒しているが「私が愛するアメリカ、世界中で希望と自由の灯台となってきたアメリカは、現在、腐敗し、無能で、人種差別的で、無謀で、反逆的な政権の手に委ねられている」とブルースは拍手喝采の中で語っており、大観衆に「分裂ではなく団結を選ぶ」よう呼びかけ、ミネアポリス市民を激励している。