26日のNHK大河ドラマ「べらぼう」第41回は、主人公の蔦重こと蔦屋重三郎(横浜流星)の母・つよ(高岡早紀)が、健康不安も含めて細やかに描かれた。

 離婚に伴い幼い蔦重を残して去り、その息子が地本問屋「耕書堂」を成功させるや、転がり込んできたつよ。これも身勝手のなせる業かと思いきや、真面目な暮らしぶりで店を手伝い、繊細な感情を持つお抱え絵師の喜多川歌麿(染谷将太)を支える。悩める歌麿とともに江戸を離れ、栃木で過ごしたことも。

 つよを「ババァ」呼ばわりする蔦重も一定の信頼を置くように。41話では、髪を結ってくれる母に、自分が駿河屋(高橋克実)で育てられた真相を尋ねた。夫婦喧嘩のあげく、押し付け合いになった自分を捨てていったと蔦重は聞いていた。

 ところが、離婚の理由は夫の博打による借金。江戸から逃れるに際し、息子は吉原にいた方が安全という話に。借金取りが万が一吉原に来る可能性も考え、実の親のことを口にするのも汚らわしいと蔦重に思わせるために、夫婦ともに色に狂ったという話を作って子捨てした。以上がつよが明かした経緯だった。

 言葉通りなら、つよはふしだらな女ではなかった。髪結い話はなおも続き、つよは「柯理」(からまる)と呼びかける。蔦重の幼名だった。息子は「強い」とした上で、多くの人は強くはなれなく、強がると指摘。その機微をくみとれば男前が上がると諭した。

 これは、蔦重に対して微妙な思いのある義弟格の歌麿への接し方を示唆した言葉。41話でつよは、歌麿からそんな感情を引き出している。自分は「おっかさん」だと言うと、歌麿も「おっかさん」と返した。蔦重は母の真意をくみとったか否かは不明ながら、「ババア、親らしいこと言うじゃないか」と言いつつ、出かけ際には「おっかさん」と声かけした。

 歌麿は幼少時に吉原から出奔しているが、蔦重の下で働いていた当時の呼び名は「唐丸」(からまる)。同じ名を持っていた2人が、「おっかさん」との絆を深めた。要となったつよに、X(旧ツイッター)では「泣けた」「髪を直すシーンは『べらぼう』史に残る」などと称賛の投稿が寄せられた。