ボートレース宮島のプレミアムGⅠ「第12回ヤングダービー」の優勝戦が28に行われる。ポールポジションには新開航が陣取るが、ボートレースファン歴47年の元天才ジョッキー・田原成貴氏(66)は今大会最若手の中山翔太(21=三重)に熱視線を注いでいる。

【田原成貴氏が熱く語る】ベテラン選手の老かいなテクニックや駆け引きも面白いが、やはり若きレーサーたちのフレッシュな戦いは見る者を熱くさせる。今大会も初日から楽しく観戦させてもらっているが、時として強引とも思えるようなガツガツしたレースぶりには、思わず声が漏れてしまう。若さっていいものだ。

 さて、今年は誰がヤング世代の頂点に立つのか。ポールポジションを獲得したのは記念3Vの実力者・新開航選手。実績ナンバーワンの男は今大会も安定した走りを見せ、準優もきっちり逃げ切った。順当に考えれば本命だが、どうしても気になる男がいる。

 ズバリ、出場メンバーで最も若い130期の中山翔太選手だ。とにかくハンドルワーク、レースさばきが非常にうまい。冒頭で触れたような若手レーサーにありがちな粗っぽさは全く感じられず、なかなかどうして落ち着いている。物おじする様子が一切ないのだ。

準優でも鋭いターンを披露した中山翔太(中)
準優でも鋭いターンを披露した中山翔太(中)

 大会前から彼の名前は存じ上げていたが、じっくりレースを見るのは今回が初めて。そこで気付いたのが差しハンドルのうまさだ。印象に残っているのが予選最終日の11R。道中3番手で迎えた2周1M、前2艇がガリガリと激しく競り合って大きくターンマークを外すと、中山選手はクルっと小回り旋回して2着に浮上。エンジンが出ているとはいえ、彼の冷静さが呼び込んだ連入だったと言える。

 また、3日目2Rでも6コースから差し浮上し、4艇による混戦2着争いを制した。同日8Rの2コースさばきも素晴らしく、あと一歩で逆転といった差しハンドルだった。

 今節は展開も向いている。優勝戦2号艇が決まった瞬間、私の迷いは消えた。3号艇の井上忠政選手がまくり、イン新開選手が抵抗したら…。そうなれば得意の差しが決まり、初優勝と大会最年少Vを達成するだろう。私はその夢に託したい。