名古屋・御園座で9日、八代目尾上菊五郎(尾上菊之助)、六代目尾上菊之助(尾上丑之助)襲名披露公演「第51回吉例顔見世」のまねき上げ行事が行われた。
出演俳優の家紋と名前を書いた看板の下で大入りを願う伝統行事だが、コロナ禍の影響により御園座で行うのは6年ぶり。劇場の大階段下で、菊五郎が「今日は重陽の節句、別名菊の節句でございます。この日に八代目尾上菊五郎、六代目尾上菊之助のまねき上げ行事というのは、格別の喜びでございます」と述べると、集まった300人の観衆からは大きな拍手に交じり「音羽屋!」との屋号が飛んだ。
演目は昼の部が「操り三番叟」「芦屋道満大内鑑」「京鹿子娘二人道成寺」、夜の部は「羽衣」「襲名披露口上」そして菊五郎家ゆかりの演目「鼠小僧次郎吉」。特に昼の部の「二人道成寺」は大ヒット中の映画「国宝」に出てくる演目でもある。
「国宝」は公開94日で興行収入133億円を突破。邦画実写歴代2位となった後も勢いは衰えず、来年には北米での公開も決定している。
この映画を菊五郎も観賞していた。
「歌舞伎は古典演目ですので、言葉がわからない、一度見ただけでは理解ができないと思われがちですが、国宝を見させていただいて、お客様がどういうところにご反応くださったのかと客観的に見た時、わかるということではなく、その美しさや、感じることが一番だということでした」
映画の影響で初めて舞台観劇する人も増えそうだが「すべてわからなくてもまず感じていただく。それが一番、楽しんでいただける秘訣だと思います」とにこやかに話した。
5月の東京・歌舞伎座公演では坂東玉三郎とともに「三人道成寺」を演じた。父子2人による「二人道成寺」は今回が初。ひつまぶしが好物という菊之助は「玉三郎さんがいらっしゃらないので一層頑張らないと」と、やや緊張した面持ちで話した。
そんな息子を菊五郎は温かい目で見つめ「昼、夜の部を通して、ストーリー性がしっかりした、情愛の出る華やかな演目が揃っています。是非この機会に触れていただき、また国宝を見て、また舞台を見て…と相乗効果で歌舞伎を盛り上げていければと思っております」と締めくくった。












